日本にも迫る政党の「ガラガラポン」
<政党にこだわる必要はあるのか?>
しかし生成AIの現代、これほど「政党」に固執しなければいけないのだろうか? これまでの国家、政党政治の在り方は本当に原始的に見える。無知、無恥、虚栄、貪欲といった人間の悪徳をむき出しにした政治家たちが、政党という名の徒党をつくって相争い、物事を仕切ろうとする。 もともと国家とは、税金を集め、それで領域を守り、治安を維持し、経済・生活のルールを定め、社会保障で格差を是正する存在。この多くの機能は、AIが果たすことができるだろう。 しかしその中には、「政治劇場」というエンタメゲームもつくってほしい。裏金とか怨念とか野心とか無知とかセクハラとか、あらゆる人間的要素がてんこ盛りの政治家のアバターたちが戦うゲームだ。 エンタメも政治や政党の重要な任務なのだ。それにAIが相手では、年金が少なくても文句の付けようがない。AIに頼らない、人間の、人間による、人間のための政治であってほしいが。
河東哲夫(外交アナリスト)