<CES2025>LGの趙周完CEO「不確実性の中で中国の追撃に対応…インドは期待の市場」
「例年より先が見えない、難しいという言葉では表現しにくい不確かな一年になりそうだ」。 LGエレクトロニクスの趙周完(チョ・ジュワン)CEO(最高経営責任者)は8日(現地時間)、CES2025が開催中の米ラスベガスで記者懇談会に出席し、「不確実性を常数と考えなければいけないようだ」と述べた。前日に公示した10-12月期の業績(暫定値)が市場の期待を下回ったという評価について「良い数字を見せることができず申し訳ない」としながらも「ファンダメンタル(基礎体力)の問題ではない」と強調した。一時的な物流費・マーケティング費が反映された結果であり、主力事業は堅調に成長しているということだ。為替・関税などの対外悪材料については「プレーブックを持ってシナリオ別の方法を準備した」と説明した。 趙CEOは昨年9月のIFA2024で「中国企業は恐れるべき対象」と述べたが、今回も中国の脅威について「これまでが危機を認識する段階だったなら、実際の対応のための実行段階に移さなければいけない時期」と話した。 役員らも同じ認識を共有した。家電担当の柳在哲(リュ・ジェチョル)HS事業本部長(社長)は「注目すべきブースがハイセンス、TCLだった」とし「トランプ政権1期目は高関税のためにほとんどふさがっていたが、今はもう米国市場まで狙うという印象を受けた」と話した。テレビ担当の朴亨世(パク・ヒョンセ)MS事業本部長は中国が超大型プレミアムテレビを前面に展示したことについて「私も驚いた。今年、我々も100インチを出すが、それ以上をするべきかを考えて顧客の観点で意思決定をする考え」と語った。 趙CEOは中国企業への対応策として「製品優位維持戦略を持ちながらギャップ(差)をさらに広げる」とし「コスト競争力不足を認め、キャッチアップ(追い上げ)しなければいけない」と述べた。また「D2C(消費者直接販売)、サブスクなどで事業モデルを差別化する」と話した。 趙CEOは「昨日の朝から終日、他社のブース、自動車業界、テック企業、スタートアップをすべて見て回った」とし、比較的詳細に印象を語った。趙CEOは「ほとんどソフトウェア、プラットホーム、AI(人工知能)などインビジョブル(Invisible、見えない)な方向で展示されていた」とし「結局、ハードウェア、ソフトウェア、サービス、ソリューションを同時にするしかない運命という考えになり、肩も重くなった」と語った。 サムスン電子が最近サブスク事業に進出したことに関しては自信を表した。趙CEOは「市場を育てるプラスの側面」と評価し「LGの強みは4000-5000人にのぼるケアマネージャー」と強調した。「サブスクの核心は割賦でなくケアが核心」とも話した。サムスン電子はケアをサムスン電子サービスに任せ、LGエレクトロニクスは従来のAS(事後サービス)とは別にサブスクのケアを担当する子会社を置いている。 昨年2兆ウォン(約2160億円)達したサブスク事業の売上高を2030年までに3倍以上に、ウェブ(web)OSなどプラットホーム基盤事業の売上規模は現在(1兆ウォン)の5倍以上に増やすという抱負も明らかにした。 ロボット事業については「サーテンフューチャー(明確な未来)」とし、昨年米ベアロボティクスに投資した件に関連し「コールオプション(買収権利)を行使する契約を持っている。状況を見て追加で投資する可能性がある」と話した。中長期的にはヒューマノイド(人型ロボット)に対してR&D(研究開発)をしながら家庭内で家事ロボットや家事ヒューマノイド、ロボッタイプ家電などのコンセプトを持って推進すると伝えた。移動型AIホームハブのQ9は下半期販売予定であり、価格や方法も検討しているという。 この日、趙CEOはインド市場について「すべての製品で1位をする」「2年連続最も働きやすい職場賞を受けた」「国民ブランドになりたい」「インドの話をすれば胸が弾む」などと大きな関心と期待を表した。最近LGエレクトロニクスはインド法人のIPO(企業公開)を公式化し、関連手続きを進めている。趙CEOはIPOについて「インド市場の潜在力を見ながらしている」とし「人材の確保などインド現地完結型事業をして拡大していく夢を持っている」と話した。