川田利明、セカンドキャリアは「0点以下、マイナス点」 プロレス四天王が今はラーメン店の店主
■ラーメン店経営は「自分には合ってない」
――川田さんがセカンドキャリアについて考えたのは急きょという印象ですが。 そうですね。自分がプロレスをやっている時って、次のことなんて考えてないんですよね。次のことを考えていたら、こんな体がボロボロになるまでやってなかったと思うし。考えておけばよかったのかなと。 ――セカンドキャリアとして選んだラーメン店ですが、今の仕事は自分に合っていると思いますか。 合ってないと思います。ジャイアント馬場さんの下で働いている時が、高額なギャラとかもらったわけでもなくても、安定して食べていけていた。会社に守られて自分が働いているってことが、いかに大事かってことがつくづくわかりました。色々な意味で守られているってことは、それが一番だったかなと思います。その後はずっと苦労しかないので。
■ラーメン店経営で歩んだ道は何点?
――川田さんといえば“俺の王道”、“俺だけの王道”というキャッチコピーがありますが、セカンドキャリアとして歩んできたラーメン店経営の道はどのように採点しますか。 どうだろうね。飲食店としては売り上げもなく、本当に0点以下、マイナス点だと思うんだけど、僕と会いたくて来てくれるお客様が少しでもいたということはすごく励みになったし、やっててよかったのかなって。(お店を)やらない方が赤字も出ないし、食いつないでいけたのかなとは思うんですけど、リングに上がらなくなってから(ファンと)触れ合う場所がここであったっていうことは、やっててよかったのかなって。
■プロレスもセカンドキャリアも過酷な道へ
――プロレスラー時代と、ラーメン店を経営されている今、どちらの方が苦労や大変さを感じますか。 プロレスラーの時はリング以外でも、ものすごく自分で努力して、人一倍練習もやっていたし、努力していたつもりなんだけど。大事な試合とか終わった後って、ホッとする瞬間というのがあって、それがこの仕事にはないのかなって、そういう面ではラーメン店の方がすごく厳しいかな。馬場さんの全日本プロレス時代に、ちゃんと毎回お金が入ってくる。ここは出ていくだけで、入ってきませんから、それは大きな違いです。 ラーメン店って高いお金が取れないから。食材、光熱費もそうだし、いろいろなものがすごく上がってきてるのにお金を取れない。ラーメンって安いものなのに、値上げしたらお客さんって離れていく。不思議なんですよ。 ――飲食店経営の中でも過酷なところに川田さんは飛び込んでしまったと。 そうですね、なにかこうプロレスといいこの業界といい、あえて苦しいことを選んでいるわけじゃないんだけど、自分に何かそういうものが降りかかってくるっていうか。それも人生、楽しみのひとつにしなきゃなって思わないとやっていけないですよね。 ――今後の目標を教えてください。 自分としては何かのきっかけで流れを変えて、こんな場所でもお客さんが来てくれることを何か考えたいなとは思っているんだけど。考えもそうだし、先立つものもないし、地道にギリギリ続けられたらいいのかなって。