初優勝を目指す早稲田実業が12大会ぶりの決勝へ!「繋がる」守備で国士舘を零封、1年生FWが決勝点
第102回全国高校サッカー選手権東京予選の2次予選Aブロック準決勝が11月4日に味の素フィールド西が丘で行われ、早稲田実業と国士舘が対戦。初優勝を目指す早稲田実業が1-0で勝利し、12大会ぶりの決勝進出を果たした。 【フォトギャラリー】早稲田実業 vs 国士舘 両チームは今季、T2リーグで2度対戦(国士舘の1勝1分)。早稲田実業・森泉武信監督は「リーグ戦2回も同じ展開。攻めに切り替わるタイミングのところをやってきて、やっぱり力では押されてしまうと思ったので、そこのところで切り返せるポイントというか、ひっくり返せるポイントをものにできた」と勝因を振り返った。 T2首位の国士舘は前半、前線のFWワフダーン康音(3年)にボールを集めながら10番MF原田悠史(3年)、MF大関流生(2年)が両サイドからの仕掛け。それに対し、早稲田実業は5バックでしっかりと守りながらFW久米遥太(3年)がカウンターを狙う。 次第に国士舘がボールを扱う時間が増えたが、早稲田実業は「僕らはひとりで止められないところとかもあるので、とにかく1対1じゃなくて、声とかカバーの部分で周りと繋がるみたいな、関わるみたいなところは徹底してやっている」とディフェンスリーダーの若杉泰希(3年)が言うように「繋がる」守備でトライし、決定的なチャンスは与えなかった。 切り替わるポイントとなったのは後半だ。早稲田実業は14分、10番のMF戸祭博登(3年)が中盤から運び出し、右サイドに流れた久米のクロスにDFスミス聡太郎(2年)がヘディングで合わせ、23分には相手セットプレーの逆襲からこぼれ球に久米が右足でゴールに迫る。いずれも国士舘GK大阪竜也(3年)主将のセーブに遭い、ゴールとはならなかったが、2度の決定的なチャンスを創出すると、スコアが動いたのは25分だ。 中盤での奪い合いで久米がつぶれてマイボールにすると、キャプテンのMF西山礼央(3年)は「柔らかいボール」を意識してファーへ送る。これに「クロスとか来た球をワンタッチでシュートに持って行くっていう力は自分の中でも得意なプレー」という1年生FWの竹内太志がファーサイドでジャンピングボレーで叩き込んで均衡を破った。 1点を追う国士舘は終盤、クロスやセットプレーでゴールを奪いにかかるが、GK高村裕(3年)が安定した守りを見せ得点は許さず。終盤は足を攣らせる選手も出た中、最後まで1点を守り切った早稲田実業が1-0で勝利し、12大会ぶりの決勝進出を決めた。 (文=石黒登 写真=矢島公彦)