冬の味覚ハタハタ、海水温上昇で今季の漁獲量は過去最低か…産卵場所に卵ほとんど見つからず
秋田県と漁業関係者らでつくる「ハタハタ資源対策協議会」の会合が23日、秋田市内で開かれ、今年の漁期(9月~翌年6月)のハタハタ漁獲量が昨年比1割減の100トン前後となる見通しが明らかになった。禁漁が明けた1995年以降で最低を更新する可能性がある。 【グラフ】秋田県内のハタハタ漁獲量の推移
県水産振興センターによると、県内のハタハタの漁獲量は2004年の3055トンをピークに減少傾向が続き、昨年は過去最低の111トンだった。今年の推定資源量は昨年(719トン)から2割減の565トンとなっており、漁獲量もさらなる減少が見込まれる。
同センターが今年行った産卵状況の調査結果では、沿岸12地点のうち「湯の尻」(男鹿市)以南の7地点でハタハタの卵塊が確認できず、北部の5か所でも平年の2割未満に落ち込んだ。ハタハタの産卵場所となる沿岸の藻場に大きな変化は見られず、海水温の上昇が影響しているとみられる。
協議会では、今年も水揚げを行う日数に上限を設ける「漁獲努力量管理」を継続するほか、網目を大きくすることなどで小さな個体の漁獲を抑え、資源量回復を目指すことを確認した。同センターの松井崇人・主任研究員は「過去には海水温が下がり、資源量が一気に増える時期があった。ハタハタを獲(と)りすぎないようにしながら、回復するタイミングを待つしかない」と話した。
今年の季節ハタハタの初漁日予測は12月2日頃。近年は実際の初漁日が予測日より遅れる傾向が続き、今年も同様の可能性がある。