留置場でも「ぼっちと言われた…」 猟銃やナイフで住民と警官4人殺害 被告の弁護側は“精神鑑定”検討 裁判の争点は「責任能力」の有無 長野・中野市立てこもり事件から半年
長野県中野市で4人が殺害された事件から25日で半年です。青木政憲被告は殺人の罪で起訴されましたが、弁護側は改めて精神鑑定の申し立てを検討していて初公判の日程は見通せない状況です。専門家は裁判の争点は「責任能力」の有無になると指摘しています。
「ぼっちとばかにされていると思った」 女性2人を殺害した動機について、こう供述していた青木政憲被告。11月16日、殺人の罪で起訴されました。
中野市の農業青木被告は今年5月25日、散歩していた女性2人と駆け付けた警察官2人を猟銃やナイフで殺害した罪に問われています。 事件では青木被告に刑事責任が問えて起訴できるかが注目されました。 被告は女性2人を殺害した動機について、「『ぼっち』とばかにされていると思った」と供述していましたが、警察は一方的な思い込みの可能性があるとみていました。
接見を続けている担当弁護士によりますと逮捕後の留置場でもこう話していたということです。 「監視員からぼっちと言われる」 担当弁護士は思い込みではないかと話しています。
その後、検察は精神鑑定などを行う「鑑定留置」を3カ月実施。そして、11月16日に「刑事責任が問える」として殺人の罪で起訴しました。 担当弁護士によりますと鑑定留置中は好きな植物のツバキや自然の写真集などを見て静かに過ごしていたということです。 ただ被害者や遺族について質問しても何も答えなかったということです。 また、青木被告は自分の両親との面会は断り弁護士に次のように話したということです。 「元気にしていますと伝えてください」
被告の両親は事件から3カ月の際、加害者家族を支援する団体を通じて「ただ、被害者に申し訳ない気持ちです。親として後悔の毎日です。謝っても謝りきれません」などとコメントしました。 半年を前にあらためて取材を申し込みましたが団体から返答はありませんでした。
事件からおよそ半年。裁判で弁護側は実行行為については認め責任能力や量刑を争う方針です。 改めて精神鑑定を申し立てることも検討しているということで、初公判の日程は見通せない状況です。