【漫画家に聞く】自分を殺しにきた“美人ターミネーター”とシェアハウス? ゆるくて斬新なウェブ漫画の続きが気になる
ポンコツな美人ターミネーターが自分を殺しにやってきた――。漫画『シェアハウスウィズターミネーター』は、洋画SFでありそうな設定を笑いに落とし込んだコメディ作品。この第1話が『自分を殺しに来た未来ロボットが居候する話』が5.4万いいねを集めている。 自分を殺しにきた“美人ターミネーター”とシェアハウス? ゆるくて斬新なウェブ漫画『シェアハウスウィズターミネーター』 独特な空気感で人気を集める本作。この制作について現在ヤンマガwebにて『スケルトン・オフィス』の原作を担当している作者・佐藤スズさん(@satou__suzu)に振り返ってもらった。(小池直也) ――多くのいいねが集まっていますが、この反響を受けていかがですか? 佐藤スズ(以下、佐藤):驚きました。忍ばせている映画『ターミネーター』や『TENET テネット』、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』などの要素に言及したコメントもあって嬉しかったです。それらの作品は私自身も好きだったので。 ――漫画『シェアハウスウィズターミネーター』の着想について教えてください。 佐藤:当時、連載会議にアイデアを出し続けていたのですが、企画が全然通らなくて悩んでいたんですよ。その息抜きで描いたのが本作でした。抑揚のない淡々としたセリフ回しなのも、手クセで描いた登場人物も「何が構成だよ!」とか「いいキャラって何だよ!」という想いが爆発した結果かもしれません(笑)。 ――制作については? 佐藤:とにかく悩まなかった記憶があります。「なるようになれ」とネームを数日で書き上げて、その後ヤングマガジンさんの「1話目ネームで挑め!連載コンペ!」で入選したんです。それから本格的にペン入れをしていきました。 ――抑揚がないながらもテンポのよいセリフ回しも印象的でしたが、お笑いが好きだったり? 佐藤:お笑いも見ますが、それよりも海外のコメディ映画が好きです。有名な作品だと『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』や『テッド』とか。 お笑い好きな友達との会話が基になっていることも多いので、もしかしたら彼が影響を受けた芸人さんの要素を私が知らず知らずのうちに摂取していたのかもしれません……。 ――『シェアハウスウィズターミネーター』は5話完結となっていますが、続編もほのめかすような幕切れとなっていました。 佐藤:今思えば、2話以降から少し力んで描いてたなと思います。エンタメを意識しすぎて、無理に新キャラを出したり、「めくりで面白いことをしなきゃ」と考えすぎたり……(笑)。また描く機会があれば、自分の趣味に収めながらネット上でタラタラ描きたいなと。 ――現在は漫画『スケルトン・オフィス』の原作を担当されています。こちらについても教えてください。 佐藤:作画がもともと苦手だったんですが、1人で描くと何よりデータのやり取りが大変になってくるんです。セリフ有の画像をpdfとtiff形式で用意する……などなど。パソコンが苦手なのでそれが本当に苦痛で。でも商品にするためには細かいあれこれが大事。 そういう部分を作画の上手な方にお願いできるのは大きいですし、後で出来上がりを見て「そういう表情を入れてくれるんだ!」という驚きとワクワクが増えるのも個人的にやりがいになっています。キャラ同士のしょうもない掛け合いと可愛い絵柄に注目して読んでください。 ――今後の展望を教えてください。 佐藤:受験期や仕事が嫌など、ストレスを感じるとコメディを見たくなると思うのですが、そういう時に「佐藤スズの作品を読みたい」と選ばれる作家になれれば。 あと『シェアハウスウィズターミネーター』を2話からやり直したいですね。時間ができたら描こうと思ってます。本作の権利はヤングマガジンさんにある訳ではないので、掲載させてもらえる媒体があれば嬉しいです。
小池直也