なぜ青柳に代打ない?阪神が金本監督の迷走采配で単独最下位、借金「10」
前日のゲームで守備の際に左肩亜脱臼の怪我を負った北條が戦線離脱、頼れる福留は、右太ももの張りのため4試合欠場するなどチーム状態も苦しい。 金本監督は、植田、熊谷の若手を1軍に上げて、さっそく植田を「2番・ショート」のスタメンで使ったが、緊急事態なのだから、代打で二塁打を放った鳥谷を古巣のショートに戻してスタメン起用するような選択肢があっても良かったのではないか。陽川を不慣れなレフトで起用した策も、3回に山田のレフト後方を襲う打球の追い方が拙くて捕球できないなど記録に残らないミスにもつながった。すべてが裏目に出ての3連敗である。 この日、甲子園には4万6000人を超えるお客さんが入ったが、2点差にかかわらず9回には、空席が目立ち始めていた。今の阪神の野球を「面白くない野球」だと受け取られているのだろう。 単独最下位となり2位のヤクルトとは6.5差に開いた。ただ横浜DeNA、中日とはゲーム差はなく、3位の巨人も引き分けを挟む4連敗で阪神とのゲーム差は「1.5」。まだCS進出の可能性は十分にある。 チーム防御率の4.04はリーグ2位。桑原ーマテオードリスの勝利方程式は、とっくに崩壊してしまっているが、松坂世代の藤川の奮闘に加え、望月らの若手をかませながら、やりくりしているブルペン陣を含め投手力は、他球団に比べてまだ安定感がある。だが、得点力不足は相変わらず。残り23日間で22試合を消化せねばならない強行スケジュールの中で、そのアドバンテージをどこまで生かすことができるのか。 監督には、目の前の試合のマネジメントと、ペナントをトータルで見るマネジメントの両方を求められるが、タイミングによって、その優先順位は変わってくる。そこを見極める力が監督力であり経験である。 就任3年目の金本監督は、そもそもチームの向かう方向性が正しかったのか、どうかという問題も含めて、今、その力量を試されることになる。 元千葉ロッテの評論家、里崎智也氏は、セ・リーグのCS争いを勝ち抜く条件のひとつを「エースで絶対に負けないこと。そうすれば大型連敗は避けられるので脱落するリスクが減る」としていた。 しかし、11勝のエース、メッセンジャーは登録を抹消されている。 そう考えると代役エースとなるべきキーマンとして期待したいのが今日16日の横浜DeNA戦で7月26日の広島戦以来の先発復帰する藤浪だ。その出来がCS進出をかけた23日間の戦いを左右することになってくる。 そういえば開幕前に金本監督は、今季優勝するためのポイントとして「ロサリオ、藤浪」の2人の名前を挙げていた。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)