マイナ保険証の「登録解除」スタート 登録はカンタン、解除は面倒 解除後に発行される「資格確認書」は有効期限をわざと短く面倒にしている印象も
■資格確認書の有効期限はどうなる? 企業によっては3カ月おきに申請
資格確認書の有効期限は最大5年だが、実はこれ、医療保険者が自由に設定できる。 地元自治体は、従来の保険証と同じ、一年ごとの更新で、期限が切れる前に新しいものが送られてくるとのこと。現状は自動更新の予定だが、今後、国の方針によっては、その都度の申請が必要になる可能性もあるという。 以前、取材をした際、某大手企業の健康保険組合は、有効期限を3カ月に設定していた。3カ月ごとに申請をするのは大変手間である。わざと面倒な手続きをさせることで、マイナ保険証利用へと誘導しているように思えた。
■未だに「他人の情報の紐づけ」が起こっている
保険証の新規発行停止まで1か月となったが、厚生労働省によると、9月のマイナ保険証の利用率(最新)は13.87パーセント。今も多くの人が利用していない。 10月17日に全国保険医団体連合会が発表した「2024年5月以降のマイナ保険証調査」によると、回答した13000医療機関のうち、「トラブルがあった」のは70.1パーセント。つまり、約9000件の医療機関で、直近5か月にマイナ保険証のトラブルがあったというのだ。しかも、一年前の前回調査より10パーセント増加しているという。 具体的な内容はというと、「資格情報が無効(47.8パーセント)」「該当の被保険者番号がない(18.5パーセント)」「負担割合の誤り(10.9パーセント)」という具合で、「カードリーダーの接続・認証エラー」に至っては52.9パーセントと過半数の医療機関で起こっている。頻繁に起こると回答した所も多く、もはや不具合が起こるのが当たり前になっているらしい。 しかも、「他人の情報がひも付けられていた(2.1パーセント)」と、個人情報に関わる大きな問題が、いまだに189の医療機関で起こったというのだ。 利用率が全体の1割程度で、これだけトラブルが起こるということは、今後、利用者が増えたらどうなってしまうのか。 従来の保険証を廃止し、マイナ保険証への一本化を進めるなら、まずはトラブルを減らす対策を考え直していただきたいと思う。 (関西テレビ 2024年11月2日)
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