「練習しなくても入る」 平塚哲二は21年前に初優勝を遂げた『2ボール パター』でシニアでも初優勝
前週の「コマツオープン」でシニアツアー参戦4年目にして初勝利を挙げた平塚哲二。レギュラーツアー時代は2000年に初シードを獲得し、03年シーズンの最終戦「ゴルフ日本シリーズJT」でツアー初優勝を達成した。2015年にシード落ちするまでにツアー通算6勝。実はレギュラーとシニアの初優勝時に握られていたのは、どちらも同じパターだった。 平塚哲二の21年物パターに逃げ顔ドライバー 14本を全部見せます【写真】 OB杭が近くて狭い小松カントリークラブで、「毎年OBばっかり打っています」という反省を生かし、平塚は飛ばしを捨ててフェアウェイキープ重視の作戦で臨んだ。その結果、終わってみれば初日からトップを譲らない完全優勝を達成し、大会を通じてボギーはたったの2つ、OBは1つもなかった。 7割スイングを徹底したドライバーは21年発売の『RS F プロトタイプ ワンクローバー』。アスリート向けのカスタムオーダー専用モデルで、プロギア直営店など一部の店舗に限り数量限定で販売されていた。 「古いドライバーですけど、フェースの向きが若干オープンに作ってあって、チーピンみたいな球が出にくいので気に入っています。打ちたい弾道はストレート。ゴルフが悪くなるときはカット軌道になります。このドライバーで少しつかまえ気味に打っているときが調子良いですね」。普通に打ったときには270ヤード飛ぶドライバーだが、今大会では240~250ヤードに飛距離を落としてボギーを打たないゴルフを心がけた。 もう1本、平塚のフェアウェイキープに大きく貢献したのが『RS プロトタイプ ツークローバー』の3番ウッド。ここ10数年、平塚はフェアウェイウッドのイップスに悩まされ「チョロは出るわ、OBを打つわで全然ダメだった」。それが1カ月くらい前から「スイングのイメージをゆっくりにした」ことでショットの調子は上向きに。 「250ヤード飛ばそうとする『バーン』というスイングではなく、220ヤードでいいやと思って『ポーン』と打ったら240ヤードくらい飛んでくれる。イメージを変えてから、そんなに暴れなくなりました」。実際、3番ウッドで打ったティショットは「100%フェアウェイです。10何年なかったですね」と、狭いコースで威力を発揮した。 そんな平塚のキャディバッグの中で一番気になったのはパター。オデッセイ『ホワイトホット 2ボールブレード』は、なんと2003年に発売されたモデルだ。 「レギュラーツアーのシードを落としてからパターを練習する機会が減って、どれが一番練習しなくても入るか試してみたら、あれが一番良かったんです。日本シリーズで初優勝したとき(03年)にも使っていましたし、当時2、3年使ったんじゃないかな。途中で使わなくなって置きっぱなしだったのを、引っ張り出してきたんです。あまり練習しなくてもストロークが気にならなくなりました」 毎年のように次々と新しいパターが登場しているが「結局ダメになるので、1日、2日しかもたない(笑)」と、21年前のパターに絶対の信頼を置く。また、「今でも使っている選手はけっこういますよね」と平塚が言うように、『ホワイトホット 2ボールブレード』はレギュラーツアーで活躍する26歳の片岡尚之や、43歳の岩田寛も使い続けている名器なのだ。21年の時を超えて再び『2ボール』が輝いた。 【平塚哲二の優勝クラブセッティング】 1W:RS F プロトタイプ ワンクローバー(10度/TOUR AD VF-6X、45インチ) 3W:RS プロトタイプ ツークローバー(15度/TOUR AD PT-7X HIGH MODULUS) 5W:RS プロトタイプ ツークローバー(18度/TOUR AD PT-7X HIGH MODULUS) 4U:RS X(22度/TOUR AD HY-95X) 4I~PW:PRGR 01(DG 120 VSS S200) 52度:PRGR 0 TOUR(DG EX TOUR ISSUE S400) 58度:ボーケイ ウェッジワークス プロトタイプ(DG EX TOUR ISSUE S400) PT:オデッセイ ホワイトホット 2ボールブレード BALL:RS SPIN ◇ ◇ ◇ なぜ片山晋呉は7番アイアンを抜いたのか? 関連記事【ウソだろ!? 片山晋呉は7番アイアンも抜いちゃったの? レギュラーで戦うために7Uを投入「最高の球が打てる」】を読めば、その秘密がわかる。