「犬のような存在は歓迎しません」記者に“タスク詐欺”とおぼしきメッセージ やり取りを進めてみると
HTB北海道ニュース
高額収入のアルバイト話をもちかけて金をだまし取る「タスク詐欺」。道内でも被害が相次ぐなか、同様のメッセージがHTBの記者に届きました。やり取りを進めてみると…。 立田祥久記者) 「身に覚えのない番号からメッセージが届きました。『スマホでできるアルバイト。日給4万円』とあります」。 HTBの記者のスマートフォンに届いたショートメッセージ。詐欺の可能性があることからその実態を知るため仕事内容を尋ねてみると、わずか1分で返信が…。 「各映画会社の作品に好評を書いたり、評価やいいねを押したりする内容です。毎日4~10万円の追加収入を得られます。また、7日連続で働くと基本給として10万円を受け取ることも可能です」。 簡単に高額収入が得られると謳っています。さらにやりとりを続けると…。 立田祥久記者) 「テレグラムを使用してコンタクトする必要があると書かれています」。 誘導されたのは秘匿性の高い通信アプリ「テレグラム」。ダウンロードしてやりとりを再開すると、名前や口座番号などの個人情報を入力するよう指示がありました。入力すれば報酬として5000円を支払うとのこと。これら一連の文言は、最近被害が増えている「タスク詐欺」に似ています。 「アンケートに答えるだけ」など「いいねを押すだけ」「話を聞くだけ」といった簡単な”タスク”から始まり、次第に金銭を要求されるようになるこの手口。道警によりますと”タスク詐欺”は今年道内で少なくとも15件発生、およそ3200万円の被害が確認されています。 被害に遭った会社員(50代) 「真っ白になりました。頭が真っ白になって、血の気が引いたような」。 5月には上川管内の50代の女性が被害に遭いました。「画面のスクリーンショットを送るだけ」などの内容で初めは実際に数千円が振り込まれましたが、その後「タスクを失敗したペナルティ」などの名目でおよそ60万円をだまし取られました。 我々は先ほどのメッセージに対し、実在しない架空の口座番号を打ち込んでみました。すると・・・ メッセージ) 「情報は間違いありません。5000円がお客様の口座に振り込まれました」。 詐欺を確信した記者は、質問を投げかけました。 記者) 「直接、電話でお話しできますか?」。 メッセージ) 「お客様、勤務時間中は電話に出てはいけません」。 記者) 「闇バイトや詐欺ではないですか?」。 メッセージ) 「ネット時代では、稼ぐのはこんなに簡単です」。 最後に、こちらの身分を明かしたうえで取材であることを告げると…。 メッセージ) 「日本を離れてください」。 「私たちのプラットフォームでは、あなたのような犬のような存在は歓迎しません」。 相手は不自然な日本語で暴言を送ってきた後、連絡が取れなくなりました。 稼ぎたい心理を悪用する「タスク詐欺」。道警は必ず儲かる副業はないとして、SNS上でのうまい話に注意を呼び掛けています。
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