長野じゅりあ、芸能活動に注力のためプロレスラー引退「私の中でかけがえのない2年ちょっとになりました」
◆東京女子プロレス「TJPW LIVE TOUR 2024 SPRING」大会(13日、東京・北沢タウンホール、観衆294人=超満員札止め) 空手世界王者の長野じゅりあが芸能活動に力を入れるため、東京女子プロレスの今大会をもって卒業。2年1か月にわたるプロレスラー生活に幕を閉じた。 長野は女優、タレント、看護師、Tik Tokerなどマルチに活動。CyberFightの高木三四郎社長にスカウトされ、2022年3月19日の東京・両国国技館でプロレスデビュー。 「真拳空勝(しんけんくうしょう)」と命名された宮本もかとの空手タッグで活躍。今年2月24日、エディオンアリーナ大阪第2競技場で鳥喰かやを破り、悲願のシングル初勝利をマーク。昨年10月27日の後楽園ホールでは宮本とのコンビでプリンセスタッグ王座(当時の王者は乃蒼ヒカリ&角田奈穂)に、今年2月10日の後楽園では荒井優希(SKE48)の持つインターナショナル・プリンセス王座に挑むも、いずれも惜敗。目標に掲げていたタイトル奪取こそならなかったが、果敢なファイトぶりで“記憶に残る”選手に成長を遂げた。 この日、長野は1日2試合に出場。まず第1試合で、宮本、鳥喰と組み、愛野ユキ、原宿ぽむ、鈴木志乃組と対戦。鈴木を捕獲した長野はブラジリアンキックから旋風脚を決めて3カウントを奪って快勝。 メインイベントではパートナーの宮本と一騎打ち。長野はあらゆる角度からの蹴りで攻めていき、腕固めで絞り上げる。耐えた宮本は羅生門で逆襲。ピンチを脱した長野はブラジリアンキックから旋風脚を狙うも、かわした宮本がゼロ戦キック。その後、両者、壮絶な手刀の打ち合いに。長野の旋風脚を回避した宮本が突き、ゼロ戦キックから鴻臚館(こうろかん)をさく裂させて勝負を決めた。 試合後のリングで選手を代表して、鈴芽と遠藤有栖から記念の色紙が、愛野ユキから花束が贈られると、マイクを持った長野は「笑顔であいさつしたかったんですけど、ちょっと感情がコントロールできなくて…」と涙。 「フル参戦できなかったっていうのは、引っ掛かりはあったんですけど。皆さんが温かく迎えてくださって。先輩方、後輩とかも、たくさん話しかけてくれて。こんな素敵な団体に来れて、私のなかでかけがえのない2年ちょっとになりました。東京女子が本当に大好きになりました。これから私はファンとして東京女子を応援していきます」とあいさつ。最後は所属全選手と握手、抱擁を交わしてリングを降りた。 バックステージでも「プロレスの厳しさとか痛さとか痛感したんですけど、すごくプロレスが楽しくて。お客さんも温かいですし、先輩たちもやさしくて。後輩とかも和気あいあいとお話することができて。素敵な空間に来れたと思ってます。2年ちょっとの間で、私の人生ですごくプラスになりましたし、今後も死ぬまで活きていくと思います」と話した。 「後悔はないか?」との質問には、言葉に詰まらせ、「やり残したことはあります。もっと勝ちたかったし、悔しい思いもいっぱいしたし。まだやりたいって気持ちもあるけど、自分の決めた道だし、ここまで全力で突っ走ってこれたので、ないです!って言っときます」と最後は笑顔を見せた。
報知新聞社