カーター元米大統領死去 黒部とゆかり深く YKK工場、米メーコンに誘致 「カータースマイル」人気
29日に100歳で死去した元米大統領のジミー・カーター氏は、黒部市とゆかりが深かった。市に生産拠点を置くYKK(東京)のファスナー工場を、1972(昭和47)年に当時州知事を務めていたジョージア州のメーコン市(現メーコン・ビブ郡)に誘致した。YKKの工場進出を契機に、黒部市は77(昭和52)年にメーコン市と姉妹都市提携を結んだ。 ●武隈黒部市長「遺産受け継ぐ」 提携以来、学生の相互派遣が行われ、今年11月には黒部市の清明、明峰中の20人が現地でホームステイした。武隈義一市長は30日、「カーター氏が残したレガシー(遺産)は黒部で確実に受け継がれている。心からご冥福をお祈りしたい」とコメントした。 カーター氏は大統領退任後、YKK創立50周年の1984(昭和59)年に初めて黒部市を訪れ、約1500人の市民と一緒にジョギングを楽しんだ。カーター氏は当初、スターターを務める予定だったが急きょ、走りだしたという。大会は現在も続いている。 ●吉田氏招きで富山を再訪 1993(平成5)年には、吉田忠裕YKK副社長(元社長、現相談役)が会長を務めた富山日米協会の招きで再び来県した。黒部市で開かれたタウンミーティングでカーター氏は「日本料理は大好き。国際交流をする場合は、外国人を家庭に呼んで家庭的な交流が大切」と述べた。「カータースマイル」が人気を集め、市民に愛された。