【株式の“非公開化”】シダックス、ベネッセHD、大正製薬HD…日本企業で「MBO増加」のワケ。今後をどう見るか?(解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト)
企業価値の向上が求められるなかでのMBOの増加は、市場の新陳代謝が進んでいる証左とみる
一方で、MBOによる株式の非公開化は、株式発行による資金調達ができなくなることや、一般株主と利害が対立する利益相反となりやすいことなどのデメリットもあるため、経営陣はこれらを踏まえ、MBOの判断をすることになります。この先も、東証やアクティビストなどからの企業に対する企業価値向上の要請は継続するとみられることから、MBOや上場先の変更を検討する企業も増えてくると思われます。 参考までに、12月5日時点のプライム市場の上場企業数は1,656社です。市場再編前、2022年4月3日時点の市場第一部の上場企業数は2,177社でしたので、この間、最上位市場の上場企業数は約24%減少したことになります(図表2)。このような変化は、上場企業がそれぞれ持続的な成長を達成するために最適な判断を行った結果であり、市場の新陳代謝が進んでいると考えられます。 (2023年12月6日) ※個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。 ※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『【株式の“非公開化”】シダックス、ベネッセHD、大正製薬HD…日本企業で「MBO増加」のワケ。今後をどう見るか?(解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト)』を参照)。 市川 雅浩 三井住友DSアセットマネジメント株式会社 チーフマーケットストラテジスト
市川 雅浩,三井住友DSアセットマネジメント株式会社
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