高水準の賃上げを要請 武藤経産相が十倉経団連会長と会談、春闘が重要局面との見方示す
武藤容治経済産業相は8日、経団連の十倉雅和会長らと東京都内で会談し、2025年春闘に向け「30年ぶりの高い水準を実現した昨年の勢いで賃上げを行ってほしい」と要請した。持続的な賃上げの実現には、今春闘が重要な局面になるとの認識も示した。 十倉氏は賃上げと投資が牽引する成長型経済への移行に向け、官民連携で成長と分配の好循環を実現する取り組みを進めるとした。その上で産業競争力強化や経済安全保障などは相互に関連しており「全体感とスピード感を持って政策を推進してほしい」と求めた。 武藤氏はこのほか、バイデン米大統領が日本製鉄による米鉄鋼大手USスチールの買収中止を命じたことを念頭に、「日本企業が安心して投資判断できる環境を整えることが極めて重要だ」と重ねて指摘した。 同時に「強固な経済関係は二国間関係の土台をなすものだ」として、トランプ次期政権に対しても投資環境の整備を求める考えを示した。「日本の国益に資する形で、日米の経済関係をいっそう発展させる」と強調した。