食料備蓄のススメ : ニッポンドットコム外国語担当スタッフが実食!「非常時でなくても食べたい非常食」
「白飯」(サタケ)をはじめ、ご飯物の作り方は、基本的にお湯か水をパッケージに注いで待つだけ。お湯で15分、水なら1時間程度の商品が多い。電気もガスも使えない時に、水だけで調理できるのは心強い。
「きな粉餅」(東京コロニー)は、水で1分戻したら添付のきな粉をまぶすだけで出来上がり。
レトルト食品は、皿に移すだけの簡便さが利点だ。今回は「ぶり大根」「つくねと野菜の和風煮」(いずれも杉田エース)、「煮込みハンバーグ」(日本ハム)を用意した。
防災食最大手の尾西食品は、イスラム教圏の在日外国人が増えていることに対応して「ハラール認証非常食」を積極的に開発しており、ハラール認証マーク付きの「ビリヤニ」と「ナシゴレン」も試食した。 まずは「ビリヤニ」と「ナシゴレン」を口にしたアラビア語担当スタッフに、感想を聞いた。「エジプトでは非常食にデーツ(乾燥ナツメヤシ)などのドライフルーツを常備することが多い。こういうご飯はいいね。スパイシーでおいしい」(男性)。「ハラール対応の非常食を探すのは難しい。これは認証マーク付きで、安心して食べられるのがいいですね。思ったよりずっとおいしい!白いご飯は、炊飯器で炊いたのと変わりません」(女性)。
ビリヤニやナシゴレンはイスラム教徒ではないスタッフからも人気が高く、「チキンライス(尾西食品)」は子供から大人まで食べやすい味だ。災害時の食事は単調になりがちだが、こうした味付けご飯は、備蓄品のラインアップに加えるとアクセントになっていい。 ご飯類はお湯で戻したほうがやはりおいしく、寒い時期は特に、食事の温かさにほっとするものだ。とはいえ、今回唯一、水で戻した「炊き込みご飯」も「食感は悪くない。非常時にこのレベルなら十分」と評価が高かった。 英語担当の米国人スタッフは「アメリカでは非常食といえばツナや豆、スープなどの缶詰がほとんど。こういうタイプの物はない。ご飯物はずっしりとおなかにたまるので、非常時に向くね」。 ロシア語担当のスタッフは「ハンバーグが特においしかった」とにっこり。ミートローフに近い食感と味わいだ。 和食の定番「ぶり大根」は、「ショウガが利いていておいしい」「非常用に限らず、普段使い用としても買っておきたい」という声が上がるほどの高評価だ。「つくねと野菜の和風煮」も、「よく味が染みている、ゴボウが軟らかい」と売れ行きがよい。 非常時には心も体も疲れて、甘い物が欲しくなるはず。「きな粉餅」は、「食感がわらび餅みたいでとろりとしている」「おいしい!デザートにいい」と喜ばれていた。 用意した非常食はいずれも好評で、特にお湯や水で戻すタイプの品は「自国にはない」とのこと。かつては日本も、非常食といえば乾パンだった。この進化は災害大国ならではといえるだろう。 今回試食したことで、「おいしかったから自分でも買おうと思う」という外国人スタッフもいた。日本の災害用非常食を手に取ったことがない人は、これを機に備えてみてはいかがだろうか。 撮影=ニッポンドットコム編集部