三笠宮百合子さま逝去 歌会始で「曳山」詠まれたことも 1974年、佐賀県の唐津くんちを訪問
15日に亡くなられた三笠宮妃百合子さまは、1975(昭和50)年1月の宮中行事「歌会始の儀」で、唐津神社の秋季例大祭「唐津くんち」の曳山(やま)を詠まれている。「われもまた 祭に酔ひぬ 獅子(しし)の山車 兜(かぶと)の山車と 続きゆくみて」。歌碑も残され、地元で大事にされてきた。 百合子さまと三笠宮崇仁(たかひと)さま、「ひげの殿下」の愛称で親しまれた長男の三笠宮寛仁(ともひと)さまは、74年11月に唐津市で開かれた全国レクリエーション大会に出席された。くんちも見られ、翌年の歌会始のお題が「祭り」で、その印象を詠まれた。 その後、唐津曳山(ひきやま)取締会が市民からの募金も集めて歌碑を造る計画を進め、百合子さまから直筆の歌が寄せられた。歌碑は曳山展示場前に設置され、77年のくんちで百合子さまを迎えて除幕式が行われた。 現在は展示場が現地建て替え中で、歌碑は市の敷地に一時保管されている。唐津神社の戸川忠俊宮司(49)は「物心ついた頃からこの歌のことを聞かされてきた。歌はくんち関係者には光栄なことで、歌碑は再び曳山展示場に設置されるようにお願いしている」という。くんち期間中限定の御朱印にも、歌が刻まれている。(宮﨑勝)
宮﨑勝