「防御率0.85」でもトップ陥落の危機!? 規定到達まで「7投球回」高橋宏が大瀬良超えへ
◆ 今季防御率は驚愕の0.48 6日のDeNA戦に先発予定 今季のプロ野球で開幕から続く「投高打低」。3割打者は、セ・リーグでついに0人となり、パ・リーグも.323の近藤健介(ソフトバンク)と.300の佐藤都志也(ロッテ)の2人だけ。その佐藤も厳密には「.2996」である。 対照的に防御率ランキングは異次元の数字が並ぶ。パ・リーグこそ1点台はモイネロ(ソフトバンク)だけだが、セ・リーグは7位の東克樹(DeNA)でさえ1.98というハイレベルだ。 そんなセ・リーグの防御率ランキングで堂々のトップに立っているのが大瀬良大地(広島)。今季ここまで16試合に先発し、4勝1敗と白星こそ伸びていないが、半数を超える10試合を自責点ゼロで切り抜けている。 思い起こせば、4月の今季初登板が“3失点炎上”の出だしだった。しかし、その後は15試合連続で2失点以下の快投を継続中。6月中旬には防御率が0点台に突入し、2リーグ制が始まった1950年以降で2人目のシーズン防御率0点台も視野に入っている。 ただ、勝利数や奪三振数とは違って、防御率は1~2回の炎上であっという間に悪化してしまうもの。最後まで0点台の防御率を維持するのは至難の業だろう。 そして、そんな大瀬良には強力なライバルの存在も現れそうだ。中日が誇る21歳の若きエース、高橋宏斗である。 高橋宏は今季開幕前にフォーム修正がうまくいかず、まさかの二軍スタートとなった。今季初登板は1か月遅れの4月28日。その試合(対広島)を7回無失点で切り抜けると、その試合も含めて13試合中10試合が自責点ゼロという無双ぶりを発揮している。他の3試合も全て自責点は2以下に抑えており、今季防御率はなんと0.48というまさに驚愕の数字だ。 そして今季14試合目にしてついに規定投球回数に達する可能性が出てきた。 今季投球回数が93回の高橋宏は、6日のDeNA戦に先発予定。チーム100試合目なので、7回以上を投げれば規定投球回に達することになる。仮に7イニングを投げて自責点4以下なら大瀬良超えとなる。 オールスター後は3勝6敗と苦しい戦いが続く中日にとって、高橋宏の登板試合は絶対に落とせない一戦。7月30日の前回登板時は味方打線が6得点の大量援護をエースにもたらし、自身も7回無失点の快投を見せた。 1週間前の試合と同じように投打がかみ合えば、高橋宏の防御率1位浮上、そしてチームの連敗ストップを同時に祝うことになる可能性は高いだろう。来季を見据える中日にとって、非常に重要な9連戦初戦。エースがエースの仕事を全うできるか。 文=八木遊(やぎ・ゆう)
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