山根体制崩壊後の大改革でプロ解禁!井上尚弥が東京五輪出場可能になる?
また「再興する会」の告発状でも、問題提起されていた15歳以下のアンダージュニア世代に関する“山根ルール”も撤廃される方向だ。 現在、U-15世代の大会としては、プロ側が主導する大会と、日本連盟が主導する大会の2つがあり、昨年4月に、日本連盟は、唐突に、アマ選手へプロ側のU-15大会への出場禁止を通達、出場した場合は、将来的なアマ資格を剥奪するというルールを作った。つまりプロ側が運営する大会に出場した小、中学生は、高校進学後に、アマチュアボクシングを続けてもインターハイなどのアマ登録が必要な大会に出場できなくなるのだ。必然、五輪への出場の道も閉ざされる。 困ったプロ側は、日本連盟に抗議、2017年大会に限っては、このルールを適応しないことが決まったが、8月には、アマ側は、プロ主催の勝敗のあるスパーリング大会などに参加した場合も「アマチュア資格を剥奪する」ことを通達した。 プロ側は、2018年度は、U-15大会を中止、新しい大会となる「ジュニア・チャンピオンリーグ」を設立することを発表したが、その際、保護者に「将来、アマチュア登録等に不利益な取り扱いがあっても、異議申し立てをしないこと」の同意書を書かせるまでの事態になっていた。 小中学生に人生の未来を決めさせるなど論外で、ただでさえ、競技人口減少の傾向にあり、国体が隔年開催にまでなったボクシング界の底辺の拡大や掘り起こしに逆行するような“山根ルール”だった。 実戦機会のない子供達に、試合を経験させ、競技意欲を高めるためにプロ側が安全面などを確保して全国大会を立ち上げたのが2008年。初代大会では、井上尚弥が優秀選手賞を受賞するなど、ボクシング界の底辺拡大に効力を発揮する大会となっていた。ここから数年は、プロアマの垣根はなく、アマ側も、審判を派遣するなど協力体制にあったが、この世代の大会に魅力と利権を感じた山根元会長の息子である昌守元会長代行が、アマ独自の大会設立を考案、アマ側は、2012年よりUJ(アンダージュニア)大会をスタートした。 当初は両方の大会に出場可能だったが、アマ側が、選手を囲いこもうと、昨年、突如、“山根ルール”を発動して、U-15大会へ出場した選手のアマチュア資格の剥奪を通達して選手の保護者や関係者を困らせていた。告発状では、このルールの矛盾を指摘しており、ボクシング界発展のためには、まず最初に、このルールの撤廃が必要だという意見が強く、プロアマ解禁と連動して、アンダー世代への“山根ルール”も撤廃されることになる。今後は、再びプロアマ両方のアンダー世代の大会に小、中学生が参加することが活発化するだろう。 “山根体制”の崩壊したアマチュアボクシング界は改革へ大きく進んでいくことになりそうだ。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)