山根体制崩壊後の大改革でプロ解禁!井上尚弥が東京五輪出場可能になる?
かつて五輪を目指したWBA世界バンタム級王者の井上尚弥(大橋)はWBSS(ワールド・ボクシング・スーパーシリーズ)という世界最強賞金トーナメントへの出場が決定。10月7日に1回戦を横浜アリーナで戦い、来年度には準決勝、決勝というビッグマッチが待ち受けているため、スケジュール的には難しいのかもしれないが、東京五輪に“怪物”井上尚弥が出場して、金メダルを獲得すれば、ボクシングが大きな注目を集めて新しくなったアマチュアボクシング界の象徴的な出来事になるのは間違いない。まだ東京五輪でのボクシング競技の実施は正式決定していないが、プロアマ通じてボクシング界全体が活性化することになるだろう。 ただプロ参加解禁は五輪だけが特例。新体制が発足後、プロ側と協議をし、それぞれがルールを作って“協定”を結び、プロアマルールを明文化したいという考えだ。 例えば、現在、プロでは、引退後、2年間はプロテストを受け直すことなく、現役復帰できることになっているが、五輪を除くプロ引退選手のアマチュア登録に関しては、引退後、2年なら2年の一定期間は認めないなどのルールを作りたい方向。また、これまでは、元プロ選手のアマチュア資格復帰、すなわちアマ指導者として再出発することに関しても、すべて山根元会長の裁量次第で「認める、認めない」という“山根ルール”があったが、これについても、しっかりとルール化したい考えだという。 元プロのアマ指導者への道が開ければ、プロの技術がアマに反映され、ボクシング界全体の底上げにつながるだけでなく、プロボクサーのセカンドキャリアの場所も広がることになる。 そして、もうひとつ重要なのが、過去にプロアマ断絶の原因となった、プロ側からの強引な引き抜き工作を禁じることと、アマからプロへ転向する際のルール作りだ。 ロンドン五輪金メダリストの村田諒太のプロ転向の際には、山根元会長が猛反対。結局、協力金という名の移籍金をプロ側から“ぶんどる”という事態にも発展。いつのまにか、それもルール化してしまったが、アマ側は、その協力金は撤廃した上でアマからプロ転向する際の協定もしっかりと整備したい考え。