【速報】残業200時間超「医師の息子」は「長時間労働」で自殺したと両親が勤務先病院側訴えた裁判始まる「後進の医師の命を救う。それが息子が望んだこと」
■直前の時間外労働は月200時間超 当直勤務は翌日午後4時まで
神戸市東灘区にある甲南医療センターの医師が自殺したのは、長時間労働が原因だとして遺族が病院を運営する法人と院長を訴えた裁判が22日に始まり、病院側は全面的に争う姿勢を示しました。 【動画で見る】自ら命を絶った医師 見つけたのは「最愛の母」当直勤務が終わるのは「40時」命を救う医師が命を奪われる現実 甲南医療センターの専攻医・高島晨伍さんはおととし5月自宅で自殺しているのが見つかり、極度の長時間労働が原因だとして労災認定されました。 労働基準監督署が調査したところ、直前の時間外労働が月200時間以上で、 当直勤務とみられる日には、翌日の午後4時まで続けて勤務していたと認定されています。
■病院から納得のいく説明なし「病院内で長時間労働が常態化しているのに改善しなかった」両親が病院の運営法人と院長に損害賠償求める
遺族は、なぜ自殺するほどの長時間労働を強いられていたのか知りたいと病院側に働きかけてきましたが、納得のいく説明はありませんでした。 そして高島さんの両親はことし2月、「病院内で長時間労働が常態化しているのに改善しなかった」などとして、病院を運営する法人と院長に対し、あわせておよそ2億3400万円の損害賠償を求めて裁判を起こしていました。
■「長時間労働が常態化していることはなかった」病院側は全面的に争う姿勢
22日の第1回口頭弁論で病院側は、「病院内で長時間労働が常態化していることはなかったし、病院に残っているからといってずっと仕事があったわけではなく、専門医資格を取得するための研究の時間も含まれている。適切に労務管理していた」と主張し、全面的に争う姿勢を見せました。
■「後進の医師の労働環境を改善し続け、その命を救う、それが息子の望んだことを叶えること」と母
一方、高島さんの母・淳子さんは法廷で意見陳述し、「晨伍が身を賭して投げかけた医師の労働環境の改善のために、この裁判が医師の過労死をなくすための永遠のケーススタディとなり、後進の医師らの労働環境を改善し続け、その命を救う、それが晨伍の望んだことを叶えることだと確信します」と述べました。
■「『ごめんよ、まったくわかってあげられなくて』と息子に詫びている」と母親
また記者会見で、母・淳子さんは病院側の主張に対し、次のように反論しました。 「晨伍は自己研鑽(医師が自分の意志で空き時間に取り組む研究や学習)をする暇もないほど業務を課されていました。自分で調節できる本当の意味での自己研鑽ができなくて、苦悩して遭難してしまったのです。自分で調節できる自己研鑽で自殺するでしょうか。たとえ200時間すべてが自己研鑽であったとしても、それを知らなかったという管理者、そしてそれを知っていても何もしなかった。それは管理者として許されない責任問題だと思います」 そして病院側の姿勢を次のように述べ批判しました。 「このような院長だから晨伍は死んだのだと思いました。このような部長だから、このような上司だから死んだのだと思いました。環境に恵まれず、かわいそうなことをしました。事実に向き合って謝罪して、再発防止に踏み出す。それは当たり前のことです。遺書に『他の選択ができなかった』と書いてありましたが、『ごめんよ、まったくわかってあげられなくて』と詫びています」
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