海水浄化で避難民に飲み水提供 ガザ女性「命に関わる」
イスラエル軍の攻撃が続くパレスチナ自治区ガザの南部ハンユニスで、エンジニアの女性(50)が海水を浄化する装置を作り、地域の多くの避難民に飲み水を提供している。装置はがれきから集めた材料も使った。ガザは水資源が乏しく、インフラ施設も破壊されて状況は悪化。女性は「水は命に関わる。より多くの人にこの水を使ってもらいたい」と話す。 「木材や水のタンク、プラスチックの板をあちこちから集めて作りました」。イナス・グルさんが自宅屋上で装置の説明を始めた。木製の大きな容器に入れられた海水は、太陽熱で数時間加熱すると徐々に蒸発。濃縮した蒸気が液体の純水となり、活性炭が入った管を通る過程で浄化される仕組みだ。 ガザ当局によると、イスラエル軍の攻撃でガザにあった井戸のうち700本が破壊された。国連人道問題調整室(OCHA)は、9月末~10月中旬に1日平均9万2500立方メートルの水が生産、供給されたが、昨年10月の戦闘開始前と比べ4分の1以下の量だと指摘する。