ヤ軍へAロッドへの36億ボーナス支払い拒否で両者火花
A・ロッドの660号アーチの感動から一夜明けた2日(日本時間3日)、敵地フェンウェイパークで行われたレッドソックス対ヤンキース戦の試合前、報道陣に対応したヤンキースのキャッシュマンGMは、ロドリゲスに対する“マイルストーンボーナス”に支払い義務がないという考えを公にした。 「これは、これを達成したら、これを支払うという(インセンティブ契約)のとは全く違ったものだ。我々は、この件に関して支払い義務はない。契約書には一切、ないことだ」 5月1日(日本時間2日)。今季から薬物規定処分から復帰したヤンキースのアレックス・ロドリゲス内野手(39)が、レ軍の田沢純一投手から自身初の代打本塁打となる劇的な左翼グリーンモンスターへの決勝本塁打を放った。ウィリー・メイズに並ぶメジャー歴代4位となる660号。田沢投手にとっては、メジャーデビュー戦でサヨナラ本塁打を打たれた因縁の相手から、節目の通算200試合登板に再び同じ打者から痛恨の一発を浴びたストーリーは、日米で大きく紹介された。その直後の急展開である。 1年半以上試合から遠ざかっていたロドリゲスは、田沢からの今季6号でメジャー歴代4位のウィリー・メイズに並ぶ金字塔を打ち立てた。米メディアに報じられたのは、ロドリゲスが今回のマイルストーン達成を口火に、2、ベーブ・ルースに並ぶ歴代3位714本塁打数、3、ハンク・アーロンに並ぶ歴代2位の755本塁打、4、バリー・ボンズに並ぶ歴代1位の762本塁打、そして5、前人未到の通算本塁打新記録。この計5回の設定に対して、ヤ軍が、それぞれ600万ドル(約7億2000万円)のボーナスを支払うもの。すべてクリアすれば、合計3000万ドル(約36億円)だ。それに対して球団首脳が支払い義務はないという立場を公にした。 地元メディアの報道によると、このボーナスは「マーケティング・アグリーメント」の項目にはあるものの、通常の出来高契約とは異なるものだという。2007年にヤンキースがロドリゲスと10年総額2億7500万ドル(約330億円)の大型契約を結んだ際に盛り込まれているというが、近年のメジャー球界での相次ぐ薬物スキャンダル、ロドリゲス本人の薬物規定違反によって、すっかりその価値を暴落してしまった。かつて、バリー・ボンズが本塁打歴代新記録達成に迫った時には、全米ネットがジャイアンツ戦を放映、CM収入はもとより、ジャイアンツ戦の遠征&本拠地試合のチケットの大幅売り上げ、記念Tシャツなど関連グッズの売り上げなど、“記録祭り”が巨大な利益を所属球団にもたらした。