ガチャガチャのルーツは1880年代のアメリカ 「キン消し」ブームの黄金期 一大玩具ビジネスへの知られざる歴史を紐解いた
「キン消し」ブームを生んだガチャガチャ黄金期
1977年にはバンダイが市場参入し、またガチャガチャファンには伝説とされるメーカー、コスモスも登場。コスモスがアイデア重視の玩具を多く展開する一方、バンダイは版権モノに特化。この時期が「黄金期」でした。 当時の子どもたちにとって、特にコスモスのガチャガチャは絶大な人気を誇った。また、1983年にはバンダイの「キン肉マン消しゴム」が大ヒット。その人気に便乗したパロディも大量発生することに。(本書より)
今日では子どもだけでなくどの世代も楽しむように
1990年代にはIC(電子)モノがガチャガチャに登場したり、ディズニー版権とのタイアップ商品が出たりと、市場は成熟していきます。2000年代にはさらに活性化し、2012年に登場した「コップのフチ子」がシリーズ累計2000万個ものヒットになりました。 2018年にはガチャガチャ専門店が続々とオープン。黄金期にはあくまでも「子ども向け」だったガチャガチャは世代を超えて親しまれるようになりました。 こういった知られざる変遷を多面的に追い続けた本書制作への思いを、担当編集者に聞きました。 「これまでのガチャガチャ関連の本は、主に80年代以降を中心とした内容でした。そこで、それ以前の黎明期の60年代、70~80年代にもスポットを当てたいと考え、日本人にとって身近なワンジャンルの歴史を振り返る“クロニクルシリーズ”の一冊として刊行しました。著者の杉村さんの膨大なコレクションの中から掲載アイテムを選び込む作業は、どれもが貴重で超レアなものだけに、とても大変だった一方で楽しくもありました。本書でしか見られないアイテムはもちろん、70~90年代の傑作台紙(POP)も多数掲載しています」(担当編集者) これだけの貴重な情報を、楽しく見せてくれるのも本書の優れたところ。特に昭和世代のガチャガチャファンには垂涎の一冊と言えそうです。 (まいどなニュース特約・松田 義人)
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