早稲田実が圧勝で日大三との決戦へ!チームに安定感をもたらした2年生捕手の成長に指揮官も評価【24年夏の西東京大会】
<第106回全国高等学校野球選手権西東京大会:早稲田実業14-2日大二(5回コールド)>26日◇準決勝◇明治神宮野球場 【トーナメント表】西東京大会 準決勝までの結果一覧 早稲田実業は1回表に4番・石原 優成外野手(3年)の二塁打などで、2点を先制する。その裏日大二は、1番・村岡 隼人二塁手(3年)が四球で出塁する。足の速い村岡をいきなり出塁させるという、早稲田実業の先発・中村心大(2年)にすれば、苦しい立ち上がりだ。村岡は二塁に盗塁をしようとするが、早稲田実業の捕手・山中 晴翔(2年)が好送球して、それを阻止した。 「ランナーの足が速いので、盗塁もあると意識していました」と山中。早稲田実業の和泉実監督も「足が速いことは聞いていたので、刺したのは大きかった」と語る。 初回を無失点で切り抜けると、3回表に内囿 光太二塁手(3年)、宇野 真仁朗遊撃手(3年)、高崎 亘弘三塁手(3年)の二塁打を含め、安打9本、四球6で12点を挙げる猛攻で試合を決めた。 日大二も5回裏に2番・樋口 結外野手(3年)の三塁打などで2点を挙げて意地を見せたが、3回の12失点があまりに重く、14―2の5回コールドが成立した。 終わってみれば早稲田実業の圧勝であるが、初回を無失点で切り抜けたことが大きかった。その意味で、盗塁を阻止した山中の貢献は大きい。早稲田実業、早稲田大の捕手として活躍した和泉監督は、「山中がこの大会で成長している。キャッチャーとしてバタバタしていない」と語る。 山中は主に一塁手であったが、1月から捕手にコンバートされた。夏前までは、「ピッチャーが落ち着かないと、自分も影響されましたが、今はピッチャーが慌てていても、声を掛けられるようになりました」と語る。捕手として経験を積んで、精神的にも成長した。山中は攻撃面でも3回表に一死満塁から猛攻の口火を切る適時打を放ったほか、1イニングで2本の安打を記録している。 決勝戦は伝統的なライバルである日大三との対戦になる。決勝戦で早稲田実業と日大三が対戦するのは、2011年以来である。その時は日大三が全国制覇を果たしているが、西東京大会の決勝戦は2-1と接戦だった。その前が2006年で、その時は早稲田実業は「ハンカチ王子」と呼ばれた斎藤 佑樹投手を擁し全国制覇を果たしているが、西東京大会の決勝戦は延長11回に及ぶ大熱戦だった。西東京大会で早稲田実業と日大三が決勝戦で対戦するのはこの2回だけで、勝った方が全国制覇を果たしている。試合は28日の日曜日。最高の舞台が整った。