がんが見つかることも!「検尿」で引っ掛かったらこの病気を疑え
面倒な病気が隠れているかも…
また次に述べる尿蛋白も陽性だったら、糸球体腎炎など面倒な病気の可能性も出てきます。慢性化すると、年単位でゆっくり腎臓が壊れていき、放っておけば最後は人工透析になってしまうかもしれません。 尿路結石で陽性になることもあります。結石が尿管から排出される際に、尿管の内壁と擦れて血が滲み出ることがあるからです。尿路結石は、あらゆる病気のなかで最大級の痛みを伴うとされていますが、ごく小さいものなら、あまり痛くなく、すんなり出ていってくれます。ただし尿管内に小さな傷を作ることもあり得ます。 腎臓がんや膀胱がんの可能性も少し考えられます。これらのがんでも、尿潜血検査の結果が陽性になることがあります。いずれも60歳以上の男性で急増するがんですが、1年間の新規患者は、両がん合わせて、60代前半の男性で1000人に1人以下、60代後半でも500人に1人以下です。検査結果が陽性だったとしても、がんの可能性は低いですが、心配なら精密検査を受けたほうがいいでしょう。 『60代以降の男性は要注意⁉…健康診断で「尿蛋白」が「陽性」だったときの正しい対処法とは? 』へ続く
永田 宏(長浜バイオ大学バイオデータサイエンス学科教授)