MotoGP、雨によるスケジュール変更にジャック・ミラー「冗談だろ」と不満顔。マルケスもアタックはできたと主張
MotoGPは開幕戦カタールGPの初日に雨が降ったことで、予選のQ1とQ2振り分けの対象となるセッションを、2日目に変更した。そして、ジャック・ミラー(KTM)はこの判断に納得がいっておらず、厳しく批判している。 【リザルト】MotoGP2024年シーズン開幕! カタールGP初日は雨 カタールは砂漠気候の地域にあり、非常に雨量が少ない。しかしカタールGPの初日、Moto3クラスのFP2が行なわれているタイミングで、その珍しい雨が降り始めてしまった。 ウエットコンディションとなってしまった結果、MotoGPはライダー達を集めてのミーティングと投票を実施。その結果、セッションは60分から45分に短縮され、さらにこのセッションをFP2とすることで予選Q1とQ2の振り分けとは無関係とする決定が下った。プラクティスは2日目に45分間で行なわれ、ここで予選の振り分けを決定することになった。 この判断に対して、ミラーは納得できないとコメント。ミラーは、ウエットでもタイムアタックを行なうのに十分なコンディションだったと考えていて、この判断を“冗談”だと断じた。 「ウエットだった。でもコンディションはコンディションだ」とミラーは言う。 「僕らはプラクティスができたはずだ。ルールを変更し続けて、戦略を変更し、F***な週末全体に変更するのは冗談だろ」 「(スケジュールを)変更する必要はなかった。結局のところ、僕らはライダーなんだ。雨が降ったり風が強かったりするたび、毎回不満を言うのではなく、コンディションに適応して走ることで金を稼いでいるんだ」 「本当に混乱が生じる可能性のあるケースがあるのは分かる。でも、コンディションに合わせたライディングは別だろう」 「僕らは皆、薄く色のついたバイザーで走っている。夜ならもっと濃い。そして雨は雨で、どこにでもあるものだ。ラインも分かるし、全く問題ではなかった」 6度のMotoGPクラス王者、マルク・マルケス(グレシーニ)も、スケジュール変更に反対していたライダーのひとりだ。 「ミーティングをして、投票したんだ。僕はスケジュールを維持するほうに入れた。それが僕の見解だったんだ。コースへ出ることが許可されるなら、それは安全ということなんだ。そして安全なら、僕らはタイムアタックが可能だ」 マルケスはそう語る。 「そして明日にプラクティス、予選、その後はスプリントレースとやるなら、状況はもっと悪い」 「最終的には投票による決定を尊重する。でも僕は賛成できなかった」 ただマルケス達のような意見が全てではない。フランチェスコ・バニャイヤ(ドゥカティ)はコースコンディションがタイムアタックに適していなかったと考えていて、彼は実際に他のマシンから飛んでくる水しぶきによって、前が見えなかったと状況を説明した。 「問題は誰かの後ろにいる場合で、僕はあるライダーの後ろについて3つコーナーを回っていた時、まったく見えていなかったんだ」 「だから仮に10台のバイクの後ろだったら、大きな問題になっていたと思う」 「それか、モトクロスみたいに15枚もティアオフシールドをつけるかだけど、それも問題になるかもね。だからセーフティコミッションで話し合う必要がある」 なお安全性についてこれまでも常に声高に主張してきたアプリリアのアレイシ・エスパルガロは、実際のコンディションは予想よりも良かったと感じていたという。 「もっと悪いのを予想していたんだけど、そこまで悪くはなかった」 「場所によってはコース上に水の量が多いかどうか判断しづらい所もあった。だけど他にもアスファルトが暗くてそれが分かりづらいコースはあるからね」 「つまり問題じゃなかった。この砂漠でこれ以上雨が降らないことを祈っているけど、もし雨がまた降っても、ここでレースはできると思う」 なおMotoGPカタールGPは2日目以降に雨の予報は出されていない。
Rachit Thukral