信じられない…大ケガから復活した名選手(4)辿り着いた「トミー・ジョン手術」で
プロ野球のキャリアでは、故障が大きな影響をもたらすことがある。長期離脱することなく現役を全うし、”鉄人”とも呼ばれる選手もいる一方で、選手生命を脅かすほどの大けがに見舞われた選手もいる。今回は、現役引退も考えられるほどの大けがから復活を遂げた名選手を紹介する。
村田兆治
「マサカリ投法」で一世を風靡し、通算200勝を挙げた村田兆治は、右肘靱帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)の日本球界初の成功例となった。 1967年ドラフト1位で東京オリオンズ(現・千葉ロッテマリーンズ)へ入団。プロ2年目から台頭すると、1975年から2年連続最優秀防御率を獲得。特にフォークボールを習得した76年は21勝、202奪三振、防御率1.82と圧巻の数字を残した。 さらに、1981年には最多勝(19勝)のタイトルを戴冠。順調なキャリアを歩んでいたが、翌1982年に右肘を故障。様々な治療を試したが改善されず、一縷の望みをかけて渡米しトミー・ジョン手術を受けた。その後は約2年もの長いリハビリを強いられたが、1984年のシーズン終盤に念願の復帰登板。翌1985年は開幕11連勝を含む17勝を挙げ、カムバック賞を受賞した。引退前年の1989年には、自身3度目の最優秀防御率(2.50)を獲得。長い現役生活を送り、通算勝利数は215を数えた。 現在では主流となっているトミー・ジョン手術だが、当時の日本では有効な治療法として、認知されていなかった。村田の復活が、日本球界に大きな影響をもたらした。
ベースボールチャンネル編集部