世界のはしか感染者、2023年は20%増 ワクチン接種不十分で
Sriparna Roy Mariam Sunny [14日 ロイター] - 世界保健機関(WHO)と米疾病対策センター(CDC)は14日、麻疹(はしか)の2023年の感染者数が前年比20%増加したと発表した。世界の最貧国や紛争多発国でワクチン接種が十分でないことを理由に挙げた。大規模な流行の半数近くがアフリカ地域で発生し、同地域での死者数は37%増えた。 WHOで麻疹・風疹を担当する上級顧問ナターシャ・クロウクロフト氏は、「現在、世界のどの国でもはしかのワクチンを接種することができる。したがって、どの子供もはしかに感染したり、はしかで死亡したりしてはならない」と訴えた。 WHOとCDCの報告書によると、2023年のはしかの感染者は約1030万人。前年は865万人だった。 昨年感染者が急増した欧州など先進国では、医療サービスやワクチンの利用が改善されたため、はしかによる死者数が10万7500人と8%減った。 クロウクロフト氏は感染者急増の最大の原因は、子供たちにワクチンが行き渡らなかったことだと指摘しつつ、ワクチン接種をためらう傾向も一因とした。 新型コロナウイルスのパンデミック以来、はしかやポリオといった病気に対する小児用ワクチンの重要性に対する人々の信頼が失われ、ワクチン接種をためらう傾向が強まっている。 2023年は2200万人余りの子どもがはしかワクチンの初回接種を受けられなかった。この年はワクチン接種の遅れによる大規模なはしかの流行が57カ国で報告され、前年の36カ国から約60%増えた。 アフリカ地域以外では東部地中海、欧州、東南アジア、西太平洋地域で感染者の大幅な増加が報告された。