熊本競輪場再建、新400メートルバンクや防災機能も 地域住民ら招き内覧会
2016年の熊本地震で被災した熊本市中央区の熊本競輪場の競走路(バンク)やスタンドが完成し、地域住民らを招いた内覧会が8日、現地であった。7月20日から8年ぶりに競技を再開する見通しで、記念式典に出席した大西一史市長は「地域のイベントなどでも多くの人に利用してもらいたい」と述べた。 熊本地震では、バンクに亀裂が入り、スタンドの柱が折れるなど大半の施設が損壊。有識者による懇談会で再建の妥当性を検証した上で、大西市長が21年に再建する方針を示した。同年に着工、建設を進めてきた。総事業費は53億2400万円。 新施設では、500メートルあったバンクを全国で主流の400メートルに変更。メインスタンドは鉄骨造5階建て、延べ床面積は4076平方メートル。2階に無料の一般観覧席412席、3階には有料の特別観覧席106席のほか、畳敷きのグループ席、個室のロイヤルボックスなどを設けた。 敷地内では今後、地域住民が利用できる会議室や非常用食料を備蓄するサービスセンターなどを整備する。見学に訪れた砂取校区第5町内の平嘉隆自治会長(81)は「防災面も考慮した立派な施設になった。これからも競輪場と共存していきたい」と話した。
本年度は238億円の売り上げを見込み、市の一般会計へ2億円を繰り入れる計画。今月15日から場外車券販売が始まる。(九重陽平)