『ドラえもん』はアメリカでも人気を得られるか? 今夏から「米国版」放送開始
日本が誇る人気アニメ『ドラえもん』が、今年の夏からアメリカで放送されることが発表された。テレビ朝日がウォルト・ディスニー・カンパニーとタッグを組み、全米7800万世帯で視聴可能な『ディズニーXD』というアニメ専門チャンネルで、日本版から厳選した全26話がオンエアされる。
アメリカで放送されてこなかった理由
今までに35の国と地域で放送されている『ドラえもん』。むしろ、アメリカでまだ放送されていなかったのが不思議なくらいだが、その理由は「強いスーパーヒーローのアニメが多いアメリカで『ドラえもん』のようなアニメは受け入れられないのではないか」(テレビ朝日広報部)という意見があったからという。さらに、勉強も運動も苦手で、自分であまり努力せず、お人好しで優しいだけの「のび太」のキャラクターは、自己主張の強いアメリカの人々には愛されにくいだろう。 今回はディズニーとのコラボによって、アメリカでも人気アニメとするために力を注ぐ。今まで、海外で放送される『ドラえもん』はオリジナルの日本版に字幕や吹き替えを加えるだけだったが、アメリカ版では英語圏の視聴者にも楽しめるよう、世界で初めての「ローカライズ版」が制作されることになる。
お国柄や時代を反映して設定を少し変更
この写真で紹介した以外にも、石焼き芋の屋台がポップコーン販売のクルマに変わったり、タイムカプセルの中に入れるしずかちゃんの宝物が人形からタブレット端末になったりするそうだ。日本とアメリカでは生活習慣や文化が違う。『ドラえもん』の世界観や描かれたテーマは守りつつ、現在のアメリカの子供たちにも受け入れやすい表現が工夫されるということだ。 登場人物などの名前も、英語圏の感覚になじみやすく、親しみやすいものになる。ドラえもんは「Doraemon」のままだが、のび太は「Noby(ノビー)」、ジャイアンは「BIG G(ビッグ・ジー)」、しずかちゃんは「Sue(スー)」という呼び名に変わる。 もちろん、ひみつ道具なども英語になって、「どこでもドア」は「Anywhere Door(エニーウェア・ドア)」、「タケコプター」は「Hopter(ホプター)」などとして描かれる。ちなみに「タイムマシン」は英語でも「Time Machine」。「どら焼き」は「Yummy Bun(ヤミー・バン)」になる。