制限速度と比べてかなり遅いペース走る車。これって「違反」や「罰金」の対象にならないの?
速度超過での取り締まりがあることは知っていても、最低速度以下の走行による取り締まりがあるかどうか疑問に思う方もいらっしゃるでしょう。 最低速度以下で走行すると、場合によっては速度超過の場合と同様に、罰金や罰則が科される可能性があります。 本記事では、最低速度以下で車を運転した場合の違反の有無や、危険性について解説します。
最低速度以下での走行は違反となる
道路交通法では、最低速度について「第七十五条の四 自動車は、法令の規定によりその速度を減ずる場合及び危険を防止するためやむを得ない場合を除き、高速自動車国道の本線車道(政令で定めるものを除く。)においては、道路標識等により自動車の最低速度が指定されている区間にあつてはその最低速度に、その他の区間にあつては政令で定める最低速度に達しない速度で進行してはならない。」と定められています。 要するに、やむを得ない事情がある場合を除いては、最低速度以下で走行してはいけない決まりとなっています。 特に、高速道路で最低速度以下で走行すると、後続車から追突され、玉突き事故を引き起こす危険性もあるため注意が必要です。
最低速度以下での走行は罰金や罰則が科される
例えば、高速道路では最低速度が時速50キロメートルと定められています。しかし、一般道路でも最低速度が示されている場所もあり、規定の速度以下で走行した場合は、罰金や罰則の対象となります。 最低速度違反により科される罰金や罰則は表1の通りです。 表1
※警視庁 「反則行為の種別及び反則金一覧表」「交通違反の点数一覧表」を基に筆者作成 車種により異なりますが、5000円~7000円程度の罰金の支払いと、運転免許証の点数が減点されます。
妨害運転罪の罪に問われる可能性もある
妨害運転罪とは、急ブレーキ禁止違反や追い越し違反などの違反行為をして、ほかの車の走行を意図的に妨害させた場合に問われる罪です。このなかには、最低速度違反も含まれているため、意図的な制限速度以下の走行は妨害運転罪と見なされる可能性があります。 もし、妨害運転罪の取り締まり対象となった場合は、3年以下の懲役か50万円以下の罰金が科され、25点の減点で運転免許停止処分です。 さらに、妨害運転罪により事故などを起こした際は、5年以下の懲役か100万円以下の罰金の対象となり、違反点数35点となります。