歌舞伎座へ!尾上右近が『京鹿子娘道成寺』を舞う
いつも以上に華やかさと特別感のある、一月の歌舞伎座。2024年は、女性誌エクラで『歌舞伎はモダンだ!』を連載中の尾上右近さんが夜の部に登場する。この日を待ちわびていた連載担当編集Wの募る想いを書き綴ります。 歌舞伎関連写真をもっと見る ©松竹
”大人の初春は、歌舞伎座で”が令和の新定番に
歌舞伎にとって最高の舞台、歌舞伎座。年の初めという寿ぎの舞台に尾上右近さんが出演するという事実だけでも楽しみだが、その演目が女方舞踊の最高峰『京鹿子娘道成寺』という、華やかさ!
©研の會(撮影/田口真佐美)
人気・実力ともに右肩上がりの尾上右近さん
尾上右近さんのエクラでの連載『歌舞伎はモダンだ!』がスタートして早4年。 連載を重ねるたびに右近さんの知性や感性の豊かさなど、 その魅力に引き付けられ、歌舞伎の面白さにズブズブとハマっていく読者やスタッフが続々と増えている。その証拠に、2023年8月の自主公演『研の會』ではグッズが早々に売れ切れ、編集部スタッフはひとつもゲット出来なかったほど(涙)。その際に演じられたのが『京鹿子娘道成寺』で、大層盛り上がり、数日後にアップされた歌舞伎界重鎮の劇評にも絶賛されるほどだった。その評判となった演目が、新春の歌舞伎座でかかるとあって、盛り上がりもひと潮だ。
©研の會(撮影/田口真佐美)
©研の會(撮影/田口真佐美)
女方舞踊の最高峰『京鹿子娘道成寺』が見逃せない
この演目は、いくつかのパートに分かれており、色とりどりの美しい衣裳やさまざまな小道具で、恋する娘の心模様を表現していくさまが、最初から最後まで目が離せない。 赤い衣裳で金の烏帽子を身に着けて踊るところからスタートし、娘の可憐な恋心を踊る「手踊」、少女のように毬をつく「毬唄」、真っ赤な笠が印象的な「花笠踊り」、手拭いを使ってしっとりと踊る「恋の手習い」、さらに腰につけた鼓をバチで打ったり、振るとカラカラと音がする振り鼓を使った踊りが続く……。一時間近くひとりで踊り続け、女方舞踊の最高峰と言われる。”引き抜き”と呼ばれる、一瞬にして変化させる仕掛けで、どんどん衣裳が変わっていくところも見所のひとつだ。