歌舞伎座へ!尾上右近が『京鹿子娘道成寺』を舞う
©研の會(撮影/田口真佐美)
”削ぎ落された究極の踊り”の裏にある、アナザーストーリーに想いを
今回の歌舞伎座への意気込みを尋ねると「僕たちの世代が歌舞伎座の公演で大役をつとめるとき、若手公演や抜擢と言われるのではなく、自分達が中心的にやっていくことが当たり前になっていくよう、舞台をつとめたい思います」と尾上右近さん。「あの鐘がすべて諸悪の根源という想い、恋人に逃げられた恨みが『道成寺』のテーマです。一方で、江戸時代から踊り続けられ”削ぎ落された究極の踊り” と呼ばれる『京鹿子娘道成寺』に至るまで、余分とされた型はたくさんあり、そういった削ぎ落された側の恨みもきっとあると思う。全くお客に受けなかった型、一時期受け入れられても時代の空気に合わなくなった型、……勝ち取っていた人達がいる裏に、負け取られた屍がある。その屍の上で踊る。今回はそちら側への鎮魂という想いも込めて踊ろうと思います。」
華やかな場内は、着物やドレスアップなど、観劇のおしゃれのモチベーションも上がりそう。 ©松竹
「木遣り始め(きやりはじめ)」という行事。毎日ではないが、お正月ならではのイベントがあることも。写真は2023年1月9日のもの。 ©松竹
歌舞伎座「壽― 初春大歌舞伎」
2024年1月2日~27日(土)【休演】9日(火)、28日(木) ※昼の部 『京鹿子娘道成寺』 白拍子花子 中村壱太郎(2~14日)、尾上右近(15~27日) ●昼の部午前11時開演 ●夜の部午後4時開演 観劇料 1等席 18,000円 2等席 14,000円 3階A席 6,000円 3階B席 4,000円 1階桟敷席 20,000円