突き破れ、突き抜けろ SV東レ静岡・山田大貴(清水桜が丘高出)
バレーボールSVリーグ男子・東レアローズ静岡のアウトサイドヒッター山田大貴(23)=函南町出身、清水桜が丘高出=が、大卒1年目ながらチームを引っ張る活躍を見せている。14試合を終え、アタックでの得点数は158でチーム最多。ただ、国内トップレベルの選手と対峙(たいじ)して課題が浮き彫りになり、「苦しい。でも選手として成功するにはこれを乗り越えないといけない」と自身の実力と厳しく向き合う。 「一生このチームにいるつもり。だからもっと勝たせたい」。高い打点から思い切りよく打ち込むスパイクが魅力のアタッカーは覚悟をにじませる。 今季ここまで4勝10敗。チームとして優勝を目指している中でスタートダッシュに失敗し、「必ず巻き返してやろうという気持ちで臨んでいる」と悔しさを隠さない。 函南東中への進学と同時にバレーボールを始め、部活動のほかに東レのジュニアチームにも所属。現在チームメートのアウトサイドヒッター米山裕太(40)に憧れていた。 中学入学時に170センチほどだった身長は1年間で10センチ以上伸びた。体の成長とともに次々とスパイクを決められるバレーボールの楽しさのとりこに。清水桜が丘高、早大と強豪校で着実に腕を磨き、東レから入団の誘いを受けて「絶対行きます」と即断した。 課題は明確で守備。苦手と分かれば「(相手から)めちゃくちゃ狙われる」。全体練習後にも多くの時間を割いてレベルアップに励んでいる。チームメートからも助言を受け、自身でもレシーブの形をこまめに映像で確認して修正しているが、「まだまだ成長の伸びは悪い。日々試行錯誤」ともがく。 だからこそ、殻を突き破った先が楽しみでもある。「選手としてレベルが数段階上がって、チームとしてもかけがえのない存在になれる」。190センチ台の身長で、第一線で活躍し続けるには、攻撃専従では難しいことは十分認識している。 青色のユニホームに憧れていた少年時代。時を経て夢を与える立場になった。「アローズは強いしかっこいいなと思って見ていた。子どもたちの誇りになれるように結果を出さないといけない」。地元出身の選手として大きな期待を背負っている。 やまだ・だいき 2001年8月7日生まれ、函南町出身。小学生のころは陸上競技の長距離で脚力を鍛えた。函南東中に入学してからバレーボールを始め、東レアローズのジュニアチームにも所属。清水桜が丘高ではエースとして同校初の全日本高校選手権(春高)出場に導き、ユース日本代表に選ばれた。早大4年時には「大学4冠」の獲得に大きく貢献した。191センチ、81キロ。
静岡新聞社