草彅剛、朝ドラ出演から1000万回超再生の踊ってみた動画まで “変化”と“初”を楽しんだ開花の2024年
2024年の草彅剛も大活躍だった。1月1日から稲垣吾郎、香取慎吾とともに日本武道館でのファンミーティング『NAKAMA to OSHOGATSU お正月 ~2024年もよろしく!』を開催し、映画に舞台にと引っ張りだこ。レギュラーのバラエティ番組もこなしつつ、YouTubeの更新もコツコツと続けてきた。さらには、香取とのユニット「SingTuyo」名義で新曲「眩しい未来」もリリースし、久々に地上波の音楽番組で歌唱姿を披露するなど、幅広いジャンルでその存在感を発揮していた。 【写真】草彅剛所有のヴィンテージデニム、愛犬との3ショット なかでも、話題になったのはNHK連続テレビ小説『ブギウギ』(2023年10月~2024年3月放送)での作曲家・羽鳥善一役だ。放送第112回では羽鳥の2000曲記念パーティーが催され、サプライズでラインダンスに加わるシーンがあった。すると、台本には「善一、足は上がってないがとても楽しそう」とだけ書かれていたにもかかわらず、草彅は現場で思い切り足を上げてお尻から転んでみせることを思いつき、見事なコケっぷりを披露。その演技が、あまりに自然で「どこまでがハプニング?」と視聴者を驚かせたほどだった。羽鳥がこれほどの愛されキャラとしてお茶の間に届いたのは、ほかならぬ草彅剛だったからに違いない。 実は、そんな大忙しな日々の裏で、彼は自ら「私の人生の集大成」と言い切る大きなチャレンジもしていた。それは草彅が所有するヴィンテージデニムをお披露目する展示会『STAY BRAVE』のディレクション。草彅のYouTubeチャンネルで公開された動画「STAY BRAVE本日開催!初めての書籍、初ディレクション、初めて尽くしの展示会への想いを語る!【草彅剛】」では、慣れないなかでも初めての挑戦を楽しんだ感想が語られていた。 「『ブギウギ』の羽鳥先生の役はジャズですごく楽しくて。(並行して取り組んでいても)全然大変じゃなかったの。逆に羽鳥先生が書かせてくれてるんじゃないかなってところも」と話していたのは、初めての書籍となった『「STAY BRAVE」 STAY BRAVE BOOK Vintage Levi’s 501XX Collection』のことだ。展示会でお披露目される84本のスーパーヴィンテージについてキャラクターが説明するというユニークな構成は、草彅がイチから考えたものだそう。 「1年以上かけて頭の中を具現化した」「僕にしか書けない唯一無二の本」「万人受けはしないかもしれないけれど、一風変わった本に」と熱く語りながら、最後は「俺が感動するの」と自分自身が最も気に入っているというのが、なんとも草彅らしくて微笑ましい。そして、展示方法についても「(デニムの)両面が見える感じでペタッとしたい」というこだわりを貫いたと熱弁。それは、Levi's 501XXの洗濯すると生地がよれていくという特性を加味してのことだった。「歪んでる感じがめちゃくちゃ好き」だという草彅は、その“歪み”が見えなくなってしまうためマネキンには履かせたくなかったのだ、とも。 そんなこだわりが詰まった展示会の様子は、香取のYouTubeチャンネルでも取り上げられている。そこでも香取に向かってデニムの魅力を「シワひとつとってもそれぞれ違くて。人間でいうと“個性”。自分の生き方みたいな。宇宙なんだよね、僕にとっては」と話していた草彅。シワや傷、汚れ……いわゆるダメージと呼ばれる部分を、草彅はいつだって「これがすごくかっこいい」「こういうのがたまらない」と愛しそうに見つめてきた。そしてその時代を生きた人々の暮らしや想いに想像を膨らませるのだ。 だからこそ、彼の演技は年々味わい深いものになっているのだろう。2024年は、そんな“経年変化”と“初”を楽しむ草彅の魅力が開花した年でもあったように思う。先述した『ブギウギ』の羽鳥役でズッコケた演技も、年を重ねてダンスなど軽く踊れるわけではなかったとしても、初めてやることを楽しもうとした彼の愛らしさが伝わってくるようだ。