柴咲コウ、黒沢清監督の全編仏ロケ映画で仏語に挑戦 1998年公開のサスペンス『蛇の道』をセルフリメイク
主人公の精神科医・新島小夜子を演じるのは、『Dr.コトー診療所』(2022)、『君たちはどう生きるか』(※声優)、『ミステリと言う勿れ』(2023)などに出演し、アーティストとしても昨年12月に全国ツアーを開催するなど多岐にわたって活躍する柴咲コウ。本作では他人の復讐に協力する謎に包まれた役どころで、撮影の半年ほど前から日本で仏語レッスンを受けて撮影に臨み、黒沢監督を「本当に素晴らしい女優でした。彼女の鋭く妖しい眼差しと、野獣のような身のこなしが、この映画をオリジナル版にもましてミステリアスで深みのある作品に格上げしてくれました」と言わしめた。
一方、殺された娘の復讐に燃える男アルベールを、主演映画『レ・ミゼラブル』(2019)が第72回カンヌ国際映画祭コンペティション部門で審査員賞を受賞したダミアン・ボナールが演じる。
黒沢監督は、第68回カンヌ国際映画祭で『岸辺の旅』(2015)が「ある視点」部門・監督賞を受賞、第77回ベネチア国際映画祭で『スパイの妻<劇場版>』(2020)が銀獅子賞を受賞。先ごろ菅田将暉主演の映画『Cloud クラウド』(9月公開)の製作が発表されたばかり。2016年公開の映画『ダゲレオタイプの女』でタハール・ラヒム、オリヴィエ・グルメ、マチュー・アマルリックら海外の名優たちと組み、全編フランスロケ、フランス語に挑んだ。
黒沢監督、柴咲、ダミアン・ボナール、プロデューサーのコメント全文は下記の通り。(編集部・石井百合子)
黒沢清監督
26年前にオリジナル・ビデオ作品として脚本家高橋洋に書いてもらった脚本は、徹底的に復讐していく物語なのですが、これが非常によくできていて、チャンスがあればもう一度映画化したいとずっと願っていました。それがひょんなきっかけでフランス映画としてリメイクできたことは幸運という他ありません。そして、それ以上の幸運は何と言っても柴咲コウさんの参加でしょう。本当に素晴らしい女優でした。彼女の鋭く妖しい眼差しと、野獣のような身のこなしが、この映画をオリジナル版にもましてミステリアスで深みのある作品に格上げしてくれました。