キャプテンが大舞台で重責を果たす 東海大福岡が昇格決定
12月17日、佐賀県のSAGAサンライズパークで高円宮杯 JFA U-18サッカーリーグ2023プリンスリーグ九州 プレーオフ(参入戦)が開催され、第1試合で大分県代表の大分鶴崎と福岡県代表の東海大福岡が対戦した。 【フォトギャラリー】プリンス九州プレーオフ決定戦 試合は小雪交じりの曇天の中でキックオフ。井上泰雅のパスを起点に攻める東海大福岡に対して、大分鶴崎も安東壮大を前に走らせてゴールへ迫るが東海大福岡の好守に苦戦。それでも志賀杏陸が積極的に前を向いて仕掛けていく大分鶴崎だが、両サイドが高く位置取る東海大福岡がチャンスシーンを増やしていく。 攻める東海大福岡は、26分に浅香寛太のボールに抜け出した井上が先制ゴール。キャプテンの一撃で勢いに乗った東海大福岡は、28分にも倉田連が追加点を決めて前半を2-0とリード。 2点を追う大分鶴崎は、後半から球際の強度をより高めて反撃を狙い相手陣内でプレーする時間を増やしていくが、ゴール前で精度を欠くシーンが続く。攻めながらも得点が奪えず焦りの見せる大分鶴崎に対し、東海大福岡は耐えて守りながらカウンターを狙い、ここから試合はせめぎ合うような時間が続いていく。 大分鶴崎が東海大福岡の守備をこじ開けるか、東海大福岡が勝負を決めるゴールを奪うか。一進一退の時間が続く後半、勝負所を先につかんだのは東海大福岡だった。攻める大分鶴崎の裏を突くカウンターから77分に大嵩翔史が決定打となる3点目を奪取。 このゴールで試合をほぼ決定付けた東海大福岡は、80分にも3点目同様に中島彗のパスから、交代出場の池田蒼音がダメ押しとなる4点目。絶望的な展開の中でまずは何とか1点を返そうとする大分鶴崎は85分にゴール前で決定的なシュートを放つものの、ここは東海大福岡GK原口匠未がビッグセーブ。試合はそのまま、最後まで集中を失わなかった東海大福岡が4-0で大分鶴崎に快勝し終了した。 「ひるむな!」 「ちょっと弱い!もっと強く!」 試合中、東海大福岡のキャプテン、井上の声は何度もピッチに響いた。先制後も、点差が開いても、その声が途切れることはなかった。大敗してしまった大分鶴崎も選手個々のスキルは安定しており、大きく力が劣っていたわけではなかった。それでも切り替えの鋭さと強度では東海大福岡に後れを取ってしまったが、その差を作ったのがピッチ内の声かけだった可能性は否定できない。そして、その井上が先制ゴールを挙げたことで東海大福岡の勢いは増したのは間違いないだろう。 キャプテンが大舞台で重責を果たした東海大福岡。堂々たる勝ち上がりも納得の試合だった。 (文・写真=藤原裕久)