凱旋門賞の「過去20年の勝ち馬の血統」からわかる狙い目 日本馬シンエンペラーの相性は?
最後に日本馬シンエンペラー(牡3歳、栗東・矢作芳人厩舎)にも触れておこう。 同馬は全兄ソットサスが2020年の勝ち馬なので、当然、血統的相性はいい。父系を遡ると4代父でヌレイエフに辿り着くが、ヌレイエフの産駒は1997年にパントレセレブルが5馬身差のレコード勝ちで圧勝している。 この馬の血統でもうひとつの大きなポイントが、父シユーニの母の父デインヒル。この血は前述のように、ダンチヒを父に持つ凱旋門賞と相性のいい血脈だ。凱旋門賞の勝ち馬のなかでは少数派のヌレイエフ系ながら、兄が凱旋門賞馬となったのは、このデインヒル血の影響も大きかっただろう。あらためて、血統表を隅々までチェックすることの重要さを思い知る。シンエンペラーも当然、実力的にも血統的にも有力馬の1頭という見解で間違いないだろう。 以上、今年の凱旋門賞はロスアンゼルス、アヴァンチュールを中心に、シンエンペラーの好走も期待したい。
平出貴昭●文 text & illustration by Hiraide Takaaki,