凱旋門賞の「過去20年の勝ち馬の血統」からわかる狙い目 日本馬シンエンペラーの相性は?
母の父ダンシリは、デインヒルを経由したダンチヒの孫。2006年の凱旋門賞馬レイルリンク、2014、15年の2着馬フリントシャーの父でもある。牝系を遡ると4代母でアレグレッタに辿り着くが、同馬は1993年の勝ち馬アーバンシーの母で、同時に2009年の勝ち馬シーザスターズの祖母。さらに2021年の勝ち馬トルカータータッソの4代母でもある。 また、直系ではないが、昨年の勝ち馬エースインパクトはこの名牝アレグレッタの血を5×4でクロス(近親交配)している。アレグレッタは凱旋門賞において最も重要な"牝馬の血"と言えそうだ。 また、過去のモンジュー系の勝ち馬3頭はすべて、ロスアンゼルスと同じ3歳時に勝利(トレヴは4歳時にも勝利)している点もポイント。ハリケーンランはロスアンゼルスと同様に愛ダービーの勝ち馬だった。前走の愛チャンピオンSでは勝負どころで離されたように一瞬のキレに欠けるが、距離10F(約2000m)から愛ダービーとほぼ同じ2400mに延長されるのは間違いなくプラス材料。また、2歳時の仏GⅠクリテリウムドサンクルー(芝2000m)では重馬場で勝利しているように、馬場が渋ればさらに有力だ。 【対抗馬、日本馬シンエンペラーの期待度は?】 もう1頭は、アヴァンチュール(牝3歳、仏・C.フェルラン厩舎)を推す。同馬は父が2009年の勝ち馬シーザスターズで、サドラーズウェルズ系に次いで相性がいいダンチヒを父系祖先に持つ血統。シーザスターズの産駒は凱旋門賞の勝利はないが、2014年にタグルーダが3着、2017年にクロスオブスターズが2着、2018年にシーオブクラスが2着、クロスオブスターズが3着に入っている。 母の父シングスピールはサドラーズウェルズの直系の孫で、祖母の父レインボウクウェストは1985年の凱旋門賞馬だ。さらに牝系を遡ると、4代母レイディベリーが2011年の勝ち馬デインドリームの3代母。デインドリームは3歳時に11番人気でこの凱旋門賞を勝利しており、GⅠ勝ちのないアヴァンチュールも人気はなさそうだが、デインドリームのような大駆けに期待したい。