高橋名人「逮捕、死去」トンデモな都市伝説とハドソン退社を経た現在の姿「30年越しの再会喜ぶファンと」
30年近く勤めたハドソンを退職後、高橋名人はこれまでとは違った形でゲーム業界に一役買っています。ゲーム配信やeスポーツなど、ゲームの楽しみが増える中、いま、ゲームへの恩返しのときを過ごしているようです。(全4回中の3回) 【画像】トレードマークの黄色キャップがなつかしい!30年前の名人の姿 ほか(全13枚)
■「逮捕された」「死んだ」都市伝説が飛び交った ── ファミコンゲームの「16連射」で、子どもたちに圧倒的な人気を博した高橋名人。だからこそ、その発言や行動が子どもたちの注目を集め、思わぬ都市伝説も飛び出しました。
高橋名人:イベントで「今度、警察署で一日警察署長をします」と言ったら、「高橋名人が警察署に行く、逮捕された!」と、噂になってしまいました。 子どもたちからハドソンに業務にならないほど電話が殺到して、社長からしかられました。私はちゃんと「一日署長」だと言ったのですが(笑)。99.9%が子どもたちからの電話でした。 ── それはすごいインパクトですね。 高橋名人:私は宣伝部員だったので、テレビに出ない時期もありました。ゲームのマニュアルを作るなど、通常業務を行っていただけなのですが、テレビに出ないことが憶測を呼び、「最近、テレビで高橋名人を見ない。死んだのでは?」と死亡説が流れました。
── うわーすいません、私も当時、死亡説を一瞬信じてしまった子どものひとりです…。 高橋名人:死亡説はテレビに出れば生きているとわかりますが、逮捕説はいくら反論してもなかなか消えなくて困りました。いまだから笑って話せますけど、逮捕説は社会人として致命的ですし、当時はまいりましたね。
■ハドソン退職後はeスポーツの理事などを経験 ── 名人は2011年にハドソンを退社しますが、これはファミコン以外にさまざまなゲームが登場したのがきっかけでしょうか?
高橋名人:ファミコンが下火になったのは背景としてあります。その関係でハドソンの経営も悪化し、コナミに吸収されました。 実際に私が退社したのは吸収される前、理由は社風の変化を気にしたからです。ハドソンってわりと自由で鷹揚な雰囲気で、そのなかで30年間くらいやってきた自分にとって、社風が変わると難しいだろう、と感じたんです。 ── 退職されてからはどんなことを? 高橋名人:ゲーム業界を盛り上げる仕事や役割は進んで引き受けています。「高橋名人」が経営メンバーに入ると、宣伝効果が期待できる場合もありますので。