武藤将吾×足立遼太朗Pに聞く、刑事ドラマの醍醐味 反町隆史×杉野遥亮のバディ誕生秘話も
刑事ドラマの醍醐味は“アクション”と“チーム感”
――実際に放送をご覧になって、2人のバディ感はいかがですか? 武藤:最初からバディ感がでていたら嫌だなと思っていたので、いい意味で合ってない感じというか……あの雰囲気が面白いなと(笑)。反町さんの元々持っている熱さと、杉野くんが持ってるクールなイメージとが、徐々に噛み合っていく感じが良いなと思ってます。ですが、第3話からは物語がどんどん変容していきます。10年前の「警察官連続殺人事件」にも繋がりますが、千寿がなぜ証拠捏造をしてまで真実を突き止めたいのかという思いが徐々に明らかになっていきます。今までは、最後のラスト5分で物語が動き出すというパターンで、1話完結のミステリーというところから、“警察内”の壮大な物語になっていきます。 ――楽しみです。お2人は刑事ドラマの醍醐味をどういった部分に感じていますか? 武藤:僕の先生にあたる『あぶない刑事』シリーズの柏原(寛司)さんに教わっていたのもあり、刑事ドラマがやりたくて脚本家になったと言っても過言ではないです。刑事ドラマでは拳銃を使ったアクションシーンといった、非現実的な世界が描けるという魅力があるなと感じています。なので今回、足立Pと組んだ際に、彼から「拳銃を出すだけで、共感できなくなる」という意見を聞いてショックを受けました。僕が魅力だと思っていた要素が、若い人たちにとってはリアリティを損なうものとして受け取られていたという(笑)。でもこういうところで、どんどん若い世代のアイデアに乗ってみることが大切だなと感じました。 足立:「オクラ」という部署のチーム感がすごくカッコいいなと思っています。作品内でも撮影現場でもいろんなアイデアがセットの中で生まれていく感じが好きです。牧原役の青木さやかさんも事務所のオフィスに休みの日に行って、パソコンの打ち方を勉強しましたと話していたり、一人ひとりの熱量を空間に感じます。千寿の「千里眼」も反町さんとオクラのあの空間だからこそ成立するというか。武藤さんが書いてくださった台本をオクラのメンバーが形にしていく感じが良いなと、いちチームとして感じています。
佐藤アーシャマリア