熊本空港の国際線、過去最多の5路線・週43便へ…「九州の真ん中」アピールし11路線に拡大構想
熊本空港で国際線の新規就航や運航再開が続き、2月就航予定の台湾・高雄線を含めると、過去最多の5路線・週43便になる。新型コロナウイルス禍の収束に加え、台湾積体電路製造(TSMC)進出によるビジネスチャンスが背景にある。空港の運営会社「熊本国際空港」は2027年度末までに中国や東南アジアを視野に11路線に拡大させる構想を描いている。(古野誠) 【写真】熊本空港に新たな観光スポット「そらよかエリア」
「熊本に来るのは3度目ぐらいだが、今回は直行便なのでとても楽だった。2泊3日、友人と黒川温泉で過ごします」。熊本―韓国・釜山線の運航が始まった昨年12月19日、熊本空港に降り立った乗客(65)は笑顔を見せた。これまでは福岡空港を経由して熊本入りしており、移動時間は大幅に短縮された。
運航するのは韓国の格安航空会社(LCC)「イースター航空」だ。毎日1往復で、初日の熊本着の便は約180人でほぼ満席となった。到着ロビーで記念セレモニーがあり、あいさつに立った同社のチョ・ジュンソク社長は「熊本は様々な観光資源がある。魅力的な都市に就航できてうれしい。空港の活性化に努力を惜しまないことを約束する」と述べ、関係者とともに鏡割りで祝った。
20年1月に2路線・6便だった国際線は、一時ゼロとなったコロナ禍を経て、昨年4月には3路線・23便に急増。24年度は大韓航空が約27年ぶり、アシアナ航空が約8年半ぶりにそれぞれ韓国・仁川線の運航を再開した。今年2月の高雄線はチャイナエアラインが約5年ぶりの再就航に向けて準備を進める。
熊本国際空港は27年度末に11路線に拡大する計画を公表しており、今後の就航先として、中国・北京や上海、フィリピン・マニラ、タイ・バンコクなどを挙げている。国際線誘致は各空港間の競争もあり、同社は「『九州の真ん中』にある空港の立地をアピールし、九州全体へのアクセスの良さを訴えるとともに、現在の路線の維持に努めていく」としている。