【大学野球】3季連続最下位の京大が王者・関大から開幕戦白星 侍ジャパン・金丸夢斗から決勝打のヒーローは元学生コーチ「ほぼ初めて」の4番で決勝打
◆関西学生野球春季リーグ戦 ▽開幕節1回戦 関大0―1京大(6日・わかさスタジアム京都) 春季リーグが開幕し、3季連続最下位の京大が、“侍斬り”で王者・関大から3年連続で開幕白星を挙げた。7回に元学生コーチの4番・中村千紘左翼手(4年)が、3月の欧州代表戦で「侍ジャパン」トップチームデビューした最速154キロ左腕・金丸夢斗(4年)から値千金の決勝打。4投手の完封リレーで逃げ勝った。昨秋5位の関学大は同2位の近大にサヨナラ勝ちした。 均衡を破る一打に、球場が揺れた。0―0の7回2死二塁、ここまで2三振の中村が金丸の外角直球に食らいついた。「『ダメで元々』と近田監督も言ってくれていたので、力が抜けた。野球人生で一番うれしい」。先制の右前適時打に、何度もベンチに拳を掲げた。 今秋ドラフト1位候補左腕・金丸から金星をたぐり寄せた中村は“元学生コーチ”。愛知・明和高から現役で京大に合格したが、当初は野球を続けるつもりはなかったという。ただ、練習見学でチームの雰囲気にひかれてスタッフとして入部。裏方として過ごす中で「楽しく全力でやる姿に憧れた」と、1年冬に選手復帰した。少しずつブランクを埋め、5日夜に知らされた「ほぼ初めて」という「4番」の座で、努力は実を結んだ。 チームは直前の龍谷大とのオープン戦では0―21と大敗した。リーグ戦勝利経験者0人という投手陣の底上げに苦しむ中、先発の米倉涼太郎が6回3安打無失点と好投。「米倉の動くボールにひっかけてくれたり、打ち損じすると向こうも焦るのでは」と、元ソフトバンクの近田怜王監督(33)の起用が的中した。「金丸くんから勝った経験を次につなげてやってくれると思う」と指揮官。3季ぶりの勝ち点獲得に挑む。(瀬川 楓花) 〇…関大の金丸は、8回4安打1失点(自責0)11奪三振と好投したが、打線が奮わず、2年春の関学戦以来、リーグ戦3敗目を喫した。「体の開きが早くて、逆球になってしまった。コントロールミス」と、7回の失点を反省。リーグ戦はここまで18連勝中で、連盟記録の21連勝にあと3勝としていたが届かなかった。視察した阪神の岡本スカウトは「どれをとってもトップクラス」と高く評価した。
報知新聞社