「それでも支持?やっぱり不支持?」“疑惑”の知事・斎藤元彦氏を再選させた兵庫県民のホンネ
斎藤知事の話題は視聴率がとれる
斎藤知事の疑惑を告発した元局長の不倫疑惑が一部で報じられたことから、ネット上では元局長の告発内容に疑いを持つ声も拡散された。こうした真偽不明の情報が流布された影響によって斎藤知事が再選したと見る向きもあり、批判を続けた新聞やテレビなどの“オールドメディア”が敗北したとする声もある。 「そのオールドメディアは、47都道府県あるうちの、たった1つの県政の話を連日、全国ネットで報じ続けています。斎藤氏を支持する人からすれば、テレビが執拗に斎藤氏を攻撃していると思うのでは」(ITジャーナリスト) 兵庫県政について、テレビが連日、報じるのはなぜか。かつてテレビ朝日で報道番組の制作に携わった経験のあるフリープロデューサーの鎮目博道氏は、 「この騒動は、次々と新たな展開が起き続けています。何より登場人物のキャラが立っていて、発言内容も面白い。私も過去に報道番組を担当していたのでわかりますが、番組責任者として自分が担当した曜日の視聴率が落ちることは避けたいもの。だからこそ視聴率が取れそうな斎藤知事の話題を扱うのでしょう」 と話し、こう続ける。
「兵庫県政の話としたら兵庫県民にしか関係のない話に見えますが、パワハラや公益通報といったキーワードは、昨今の社会情勢から世間の関心が高く、国民全員が考えるべきことで、公益性もある。視聴者も、自分には直接の関係はないけれど、出てくるキーワードを見ると、まったく無関係なわけでもない。対岸の火事のように、視聴者が高みの見物をしたくなるニュースだと感じます。とはいえ、量として報道しすぎというのは間違いない。ほかに報じるべき大切なニュースがあるのも事実でしょう」
支持でも不支持でもない『その他』は
斎藤知事の代理人弁護士は11月27日に会見を開き、折原氏が投稿した『note』の内容は「盛っておられる」と説明し、疑惑を否定。 前出の上脇教授は、 「選挙戦で斎藤知事を支援したある議員が、折原氏の『note』は真実だとする趣旨をXに投稿している。そのため弁護士がいくら“違う”と言っても信ぴょう性はない」 と指摘する。 アンケートでは『支持する』『支持しない』のほか、143人が『その他』と回答した。その多くが「きちんと調査報告が出たら判断したい」(49歳・女性)、「調査が終わるまで結論は出せない」(54歳・男性)と、事態の推移を見守る姿勢を示す。 支持・不支持を覆すには、適切な説明が必要となる。 鎮目博道 テレビプロデューサー。1992年、テレビ朝日に入社。報道番組プロデューサーなどを経て、『ABEMA』立ち上げに参画し2019年に独立。著書に『腐ったテレビに誰がした?「中の人」による検証と考察』(光文社)など