国家の悲願たるW杯初出場へ期待と不安入り混じるウズベキスタン…最終予選A組首位も指揮官の健康状態、選手層ら懸念に
まだ見ぬワールドカップ(W杯)本大会を目指すウズベキスタン代表の、堅実かつタフな戦いが続いている。『Novosti Uzbekistana』が現場の声を伝えた。 現在開催中の2026年W杯アジア最終予選。 C組の日本代表が3連勝発進を飾った一方、アジア杯王者のカタール、強豪イランが入るA組では、W杯出場経験のないウズベキスタンが第3節を終えて首位に立っている。 ここまでは、ホームで北朝鮮にウノゼロ勝ちし、緊張関係にある隣国キルギスにアウェイで逆転勝ち。そして、10日にはホームでイランとの首位攻防戦を0-0と引き分けた。 イラン戦は数的優位から1点を奪えず、見方によっては「勝ち点2を失った」90分間。しかしながらチーム唯一の欧州5大リーグ組、FWエルドル・ショムロドフ(ローマ)は、主将兼エースとして悲観論を完全否定する。 「アジア最強の一角(イラン)が相手だったんだ。勝つチャンスが五分五分だろうと踏んでいたか、互いに決定機があり、全体的には観ていて面白い試合になったんじゃないかな」 「2ポイントを失った試合だったと位置付けてもいい。けど、イコール大惨事ではないよ。首位はウズベキスタンだ」 一方で、ウズベキスタン陣営には懸念も。選手から絶大な信頼を寄せられるスレチコ・カタネッツ監督が健康不安でチームを離れており、それは今年3月に続いて今回で2度目。 この10月で代行指揮を執るアシスタントコーチ、ヴラド・ラドマノビッチ氏は「私では彼の代わりを務めることなどできない」としつつ、指揮官の復帰時期が見通せないとも示唆する。 また、お世辞にも選手層が厚いとは言えないウズベキスタン。 仮にもショムロドフを欠けば「ゴールへの道筋がなくなる」というのが現地紙の見解で、ラドマノビッチ氏も「我々にはストライカーがいない」と本音を吐露。15日のUAE戦へは、主力ウインガーのFWオストン・ウルノフ(ペルセポリス)もケガで出場が50-50だという。 それでも、国家の悲願たるW杯初出場へ、主将ショムロドフは冷静に先を見据える。 「試合ごとにステップを踏むのが仕事。イラン戦の1ポイントを過小評価されたくないね。急にウズベキスタンが弱くなったわけでも、ライバルが強くなったわけでもない」 「前回も次のUAE戦も、決勝戦でなければ、最後の試合でもない。動揺してはいけないし、これからの7試合を心配する必要はないよ」
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