マルタ、有終の美なるか 得点力健在の38歳―サッカー女子・パリの灯は近く
有終の美を飾るか。 ブラジル女子サッカー界のレジェンドで、パリに出た場合6度目の五輪となるマルタ(38)。ブラジル代表としては「五輪に行っても行かなくても、今年が最後」と4月に表明しており、国際舞台では見納めとなる可能性が高い。 【写真】2010年の女子世界最優秀選手に選ばれたマルタが表彰式で涙をぬぐった 国際連盟(FIFA)の最優秀選手を過去6度受賞。五輪は銀メダルに輝いた2004年アテネ大会から出続けており、前回東京大会では男女通じて初の快挙となる5大会連続ゴールの偉業を成し遂げた。アテネと08年北京の銀メダルが最高のブラジル女子としては、金という最高の形で「女王」の花道を作りたいところだろう。 パリで負けられない理由は、他にもある。次回27年の女子ワールドカップ(W杯)開催地に、このほどブラジルが選ばれたからだ。 マルタは「(W杯で)ピッチに立つかどうかは分からない。でも経験したい。発表された時、ブラジルで皆さんとともに歴史的な瞬間を生きること以外、何も考えられなかった」。ブラジル連盟によると、記者会見でそう思いを語った。 38歳になっても得点力は健在。今月上旬にジャマイカと2試合行った強化試合では2戦とも得点を挙げた。日本(なでしこジャパン)が4月のシービリーブス・カップで対戦した際は、マッチアップした北川ひかる(INAC神戸)が「『わっ、マルタとやっている』と正直思ってしまった」と振り返ったほどのオーラを発した。パリでは1次リーグ第2戦でなでしこと当たる。 FIFAのインタビューで「引退したら母親になりたい」という思いも明かしているマルタ。パリのピッチでは、そのプレーに一層大きな注目が集まるに違いない。