IFS Cloud 24R2には、「Home」というAIを活用した動的なページが追加された。プロジェクトの状況をリアルタイムに可視化でき、生産性と効率性の向上に役立てられると強調する。また、異常を自動で検出して修正案を提示することもでき、プロジェクトの時間削減や分析精度を向上させることができる。 　生成AIを活用したアシスタント機能が「IFS.ai Copilot」になる。既に提供が始まっている機能だが、IFS Cloud 24R2のアップデートによって組織全体からより深い洞察を得られるようになったとしている。 　IFSの最高製品責任者（CPO）であるChristian Pedersen氏は「IFS Cloud 24R2の全ての新機能と拡張機能は、IFSの戦略的テーマに基づいている。これらは、IFS.aiを活用してサプライチェーンとオペレーション全体の秘密兵器であるデータのロックを解除して使用することで、運用効率と収益性の両方の面で、お客さまが潜在能力を最大限に発揮できるようにカスタマイズされている。IFSは、世界を動かす資産集約型産業やサービス集約型産業を加速させる産業用AIの最前線にいる。これらのハードコア産業のためにこのように考えている企業は他にない」と強調した。 　また、最新の導入事例として、Rolls-Royceのパワーシステムズ部門がサービス提供と持続可能性の推進にIFS Cloudの産業用AIを採用したことも明らかにした。 　同部門は1万人を超える従業員を抱え、サービスレベル契約（SLA）の達成とスケジューリング効率を向上させる革新的なソリューションが求められていた。「IFS Planning and Scheduling Optimization」（IFS PSO）モジュールを活用することでサービスデータの可視性を高め、長期メンテナンス契約の拡大とスペアパーツの売上増加を実現した。これにより、スケジューリングとエンジニアの配置が改善され、初回修理率が向上し、全エンジンのSLAを一貫して達成することが可能になったとしている。 　また、What-If Scenario Explorer（WISE）を使ったIFS Cloudのシミュレーション機能は、顧客の計画プロセスを大幅に強化するとのこと。リソース割り当て、メンテナンススケジュール、キャパシティー計画のさまざまなシナリオをモデル化することで、課題を予測したり、リソースの使用を最適化したり、SLAとの整合性を高めたりすることができる。さらに、需要の変動、技術者の可用性、部品供給など、さまざまなwhat-if状況をシミュレーションすることで、プロアクティブでデータドリブンな意思決定を行うことができるようになったという。 （取材協力：IFSジャパン）