【驚愕】救急車を呼ぶと「7700円」請求される!? 三重県 松阪市で「一部有料化」が進む理由を解説
急な病気やけがのときに私たちのもとへすぐに駆けつけてくれる救急車。日本の行政サービスのひとつです。そんな救急車ですが、アメリカで救急車を呼ぶと高額な費用を請求されるという話を聞いたことがある人も多いでしょう。 日本では救急車は無料で利用することができますが、もしアメリカと同様に有料化したらどう思いますか? 実は日本でも三重県松阪市で救急車の一部有料化が進められています。本記事では松阪市の対応と、有料化した背景について解説します。
松阪市の対応
三重県松阪市では、救急体制、救急医療のひっ迫している状況を解消する一策として、2024年6月1日より一定の条件に該当した場合は選定療養費として7700円(税込)を徴収することになりました。 対象となる病院は済生会松阪総合病院、松阪中央総合病院、松阪市民病院の3つです。選定療養費の徴収の対象となるのは、救急車でこの3つの病院に収容され、診察等の結果として、基本入院に至らなかった患者です。次の条件を満たす場合には、徴収の対象とはなりません。 ・入院に至った場合 ・紹介状を持参している人 ・公費負担医療制度の対象者 ・災害により被害を受けた人 ・労働災害、公務災害、交通事故に該当する人 ・医師の判断による つまり、救急車を利用した場合の費用である選定療養費は一律で7700円かかるのではなく、救急車が本当に必要であると判断された人は従来のように無料で利用できるということになります。
有料化した背景
松阪市が救急車の有料化を進めた理由として「救急体制、救急医療のひっ迫」があります。実は救急車の利用に関しては全国的に「緊急性のない利用」が問題となってきているのです。 東京消防庁によると、2022年中に受け付けた119番通報は、103万6645件(速報値)にものぼりますが、その中には緊急性のない問い合わせや、消防に関係のないものが約2割含まれていたそうです。具体的には「今やっている病院を教えてほしい」「電気が消えなくなった。なんとかしてほしい」といった内容までありました。 なお、同年の東京消防庁救急隊の出場件数は前年から12万8372件増え、87万2075件でした。また、救急搬送された人のうち初診医師により「入院の必要がない軽症」と判断された割合は53.4%で全体の半数以上を占めています。このような不要不急の救急車利用により「本当に必要な人」への救急対応が遅れることが懸念されているのです。
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