島津製作所 世界初、化学構造分析を実現する質量分析計を発売
島津製作所は21日、世界初の脂質や天然化合物の詳細な構造分析を実現する四重極飛行時間型質量分析計「OAD―TOFシステム」の販売を開始した。 新製品発表会見に出席した「田中耕一記念質量分析研究所」の田中耕一エグゼクティブ・リサーチ・フェロー(ERF)によると、同研究所で研究開発に10年かけ、従来の方法であるイオン解離法(CID)とは異なる、世界で初めて酸素付着解離(OAD)技術を使った製品化に成功したという。 同システムは独自のOADと呼ばれるイオン解離技術を搭載することで、脂質や天然物などあらゆる化合物の構造解明を可能にした。 同社では食品の脂質解析、香料や美容成分、医薬品開発、病態メカニズムの解明などでの需要を見込む。 価格はOAD技術を実現するオプションキット「OAD RADICAL SOURCE I」が1500万円(税別)、同キットと高速液体クロマトグラフ質量分析計「LCMS‐9050」とのOAD‐TOFシステムとして、内外で年間25台の販売を予定している。
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